FC2ブログ

2017のお年玉

のつもりで書き始めたSSにして、
こちらでご協力いただいた作品です。
その節は、どうもありがとうございました。

結果を自分なりに表現してみました。
よろしければご鑑賞ください。

●更新履歴●
■2017年3月14日追記■
 記事の体裁を整えました。
 また、本文をほんのちょっと加筆修正しました。

拙作に興味をもっていただけましたら、よろしければ下記のサイトをご覧ください。
過去作について触れております。
現在、同人誌の電子書籍の方が10円~20円(税抜き)で
お買い求めいただけます。
https://twitter.com/kimoriya2/status/835340190621151232
――――――――――――――――――――――――

■2017年3月13日追記■
 前回の掲載ミスを修正するとともに、本文の残りを足しました。
 これで本作は完結です。
 どこから追加分か分かるように、目印を書いています。
◆ここから、2017年3月13日追加分◆  というのがそうです。
 よろしければどうぞ。
 更新が遅く、楽しみにしてくださった方にお応えできずに申し訳ありませんでした。
――――――――――――――――――――――――

■2017年3月10日追記■
 本文を少し追加しました。どこからか分かるように、目印を書いています。
◆ここから、2017年3月10日追加分◆ というのがそうです。
 よろしければどうぞ。
 話は終盤で止まります。次の更新でこそ、最後まで公開できればと。
――――――――――――――――――――――――

■2017年2月28日追記■
 本文を少し追加しました。どこからか分かるように、目印を書いています。
◆ここから、2017年2月28日追加分◆ というのがそうです。
 よかったご覧ください。完成していなくてすみません。
 次の更新では、最後まで公開します。
――――――――――――――――――――――――


●作品名●

 機紅戦姫ソニアVS地球戦士アーサー

●分量●
 文庫140P弱

●概要●
 正義と科学の味方の変身ヒロイン(女子校生)と、
 正義で悪の変身戦士(クラスメイトの男子)が、
 互いの正体を知らないまま、それぞれの信念に従って激突。
 二次元ドリームノベルズ(ムフフ)的な意味でも戦います。

●主な登場人物●
 ・科学屋 ソフィア(かがくや そふぃあ)
   才色兼備の女子校生。明るくて気の強いクラスの人気者。
   【機紅戦姫ソニア】(きこうせんき―)に変身して戦っている。

 ・水星 地球(みずぼし ちきゅう)
   斜に構えた男子校生。意見は合わないもののソフィアに憧れている。
   【地球戦士アーサー】(ちきゅうせんし―)に変身し、
   正義の行為に勤しんでいる。


 平成四十年某日。
 ケー学園の二年生は社会見学の一環として、『未来技術博覧会』を訪れていた。
「最新技術の結晶がこんなにたくさん……わたし、どうにかなってしまいそう!」
 高度なテクノロジーがふんだんに使われた機器が並び、画期的な研究成果を説明するパネルが林立する会場内で、科学屋ソフィアがうっとりと微笑む。
 流れるような金髪に、知的に輝くアメシストの瞳。
 気の強そうな吊り目の面差しも整っているが、肢体も抜群だった。
 学園指定の清楚なブラウスに包まれるバストは、羽を広げたチョウのような赤いリボンタイを押し上げながら、布地を丸く伸ばしきっている。
 緋色を基調としたチェックの制服スカートも、まるでメロンやスイカを隠しているかのように大きく膨らんでいた。客がまばらなブースを少しはしゃいだ足取りで渡り歩いているせいもあり、瑞々しい太ももの根元付近までもが、時々見えそうになる。
 ウエストも魅惑的に括れていて、早熟の胸とお尻を無意識に強調させてしまっている女子校生は、白くきめ細かい肌から清涼系の爽やかな体臭を振りまきつつ、嬉々として展示物を見て歩く。
「どれも本当に素晴らしい……これらはやがて、わたしたち人類の大きな恵となってくれるのね。あぁ、素敵……」
 清楚可憐な外見に似合う鈴が転がるような美声が、喜びに震える。
「それはどうだろうね」
 横合いから男子の剣呑な声。
 ソフィアが振り向く。
 後ろにいたのは、クラスメイトの水星地球だった。
 背の高いスマートな身体は頼もしく、体育会系の顔立ちはなかなか整っている。クラスに一人や二人は隠れファンがいそうな男子なのだが、他者を拒絶する風な半眼が自身を台無しにしていた。
「アースくん……どういう意味かしら」
 名前からついた通称を交えて彼に質問。
「戦争や公害。人間も、動植物も、地球すら汚して損なわせる人間の悪行には、科学技術の影響が多大だ。科学には、きみが言うような面もあるだろう。けれどぼくは、デメリットの方が大きいと思う」
 すると、周囲のクラスメイトが騒ぎ出す。
「まぁた屁理屈が始まったよ」
「ソフィアちゃんは、大人も参加する科学のコンテストで優秀な成績を何度も収めてる、すごく頭のいい女子なのよ?」
「学校の成績が月とすっぽんのブサイク男子は、すっこんでろよ」
「いつもいつもなにかにつけて、因縁つけやがって」
 二十人ほどで集中砲火。
「いこ、ソフィアちゃん」
「待って。わたしはまだ、アースくんと話を……」
「話なら俺としようぜ……げへへ」
「あ、抜け駆けしてんじゃねぇぞ……おれと科学の話をしようぜ」
 人気者を中心に、クラスメイトの集団が離れていく。
「ちっ……!」
 思い切り舌打ちするアース。
(そりゃ、見た目も頭もよくて、人当たりもいい。おまけに、学外で大人顔負けの功績を挙げてる。そんな女子は、人気があって当然さ)
 自分を残して遠ざかる一団に悔しい思いをしながら、
(一方的に悪者扱いされるのも気にくわないけど、折角お喋りできた彼女を連れて行かれたのが、一番腹立つ)
 フローリングの床を蹴り、
(ぼくだって、ソフィアちゃんに憧れてるんだ! 意見が合わないから、議論は楽しいものじゃない。けど、彼女も話したそうにしていたじゃないか!)
 胸の中で叫ぶ。
 と、ズボンのポケットから、和太鼓のくぐもった音色が聞こえてきた。
「あ」
 手を突っ込み、一見するとケータイにしか見えない手のひらサイズの端末を取り出す。
 確認すると、真っ黒い画面の中央で、炎の形のメーターが赤い明滅を繰り返している。
「今の怒りの感情で、ゲージが溜まったのか」
 ひとりごちて会場を出た。人気のない通路に移動して、画面をタッチ。
 すると、炎のゲージはそのままに、黒い画面が切り替わった。
厳めしい顔の老人が映り、話しかけてくる。
「ときが来たな、孫よ」
「じいちゃん」
 陰気で太いものの、老人とは思えない強い声の祖父が頷く。
「知っての通り、学会を追放された天才科学者ことわし作のケータイ型端末は、お前の怒りパワーを吸収し、蓄積する。お前はわしのように、誰よりも地球を憂う者。故にお前の怒りは、地球の怒り!」
「うん!」
「お前の怒りこと地球の怒りが満充電の今、【地球戦士アーサー】に変身できる……それすなわち、『未来技術博覧会』などという、地球を不幸にする科学を血税で広める催しに、正義の鉄槌を加えるとき……!」
「わかってるさ!」
「ならば〝地球変身〟するがいい!」
 端末からドス黒い光が放たれる。
 それはすぐに無数に分かれ、アースをすっぽり包み込む。
 ピカァッ!
 夜の闇より黒い光が弾けると、そこには変身した彼の姿が。
「ふぅ……いい気分だぜ」
 野性味たっぷりに笑う孫。
 どこにでもいる学生服姿は、一変していた。
 平凡な黄土色の肌は日焼けしたように浅黒く変わっている。
 スマートな身体は筋肉質になり、しかも一回り大きくなっていた。
 そんな逞しい身体が纏うのは、なんと腰巻きひとつ。
 しかも、太陽や風や水などをイメージした漆黒の幾何学模様が全身にびっしり。目がつり上がって剣呑さが増した顔には、隈取りができているという徹底ぶり。ほとんど、耳なし芳一古代の呪術師バージョンである。
「うむ、いつものように変身は成功だ。端末から放たれた特殊な光がお前の脳を刺激し、眠れる野生を解き放った! 今のお前は地球の化身。【地球戦士アーサー】だ!」
 満足そうに頷く老科学者。
「さぁて、地球のために一暴れしてくるかァ。クソ科学のイベントなんざぶっ潰す!」
「なんと頼もしい! 眠れる野生を解き放ったにしてもワイルドすぎる!」
「あのクソアマ……【機紅戦姫ソニア】もだ! 邪魔しに来たら、今日こそ潰す!」
「潰せ潰せ。だが、その前に説明だ。お前の身体の紋様に、特別な機能をつけておいた」
「あん?」
 見た目に反し、老科学者の説明に大人しく耳を傾けるアーサー。
 終わるとニヤリと悪い笑み。
「流石はじいちゃん。天才すぎだな」
「ぬはははは、当たり前じゃ! では、こっちの準備を進めておく!」
 通信終了。画面暗転。
 彼は端末を腰巻きのポケットにしまい、悠然と会場に向かう。
「始めるか」
 入り口に立つ。
 気付いた客やイベントスタッフらが目を剥く。
「へ、変態!?」
「お客さん、今ココはそういうイベントじゃなくてですね……」
「フン」
 当人は傲然と仁王立ち。
 近づいてくるふたりのスタッフどころか、会場に響く声で傲然と告げる。
「オレは【地球戦士アーサー】!」
 数人が反応。
「え? その名前どこかで……それに、言われてみればその格好に見覚えが……」
「そうか! こういう科学のイベントを襲うテロリストだ!」
 テロリストという言葉を聞きつけた人々が、一斉に騒ぎだす。
「貴様らから見ればテロリストだが、地球から見たら正義の味方のこのオレが、科学という人間の悪しき営みに天誅を下しに来た!」
「ひぃぃぃぃぃ!」
「オレの目的はイベントの壊滅であり、正義の思想の主張。人間を害するつもりはない。巻き添えが嫌なら逃げるがいい! ……はあああああああああああ!」
 やや前傾姿勢となり、力を溜めるようなポーズを取って、
「悪しき文明の利器よ、この正義の呪いに支配されて滅べ…………〝紋呪〟!」
 両手を掲げて仁王立ち。
 シュオオオオオオオオオ!
 アーサーの全身が黒く発光。顔の隈取りを除いて、紋様が全身から離れた。
 ヒュオオオオオオオオオ!
 黒いモヤとなり、虫のように会場内に飛散。機械の展示品ひとつひとつに付着する。
「なんだ、機械が勝手に!」
「馬鹿な、コレには飛行機能などはないんだぞ!」
 取り付かれた機器は浮き上がり、側のものと何度も何度もぶつかり合う。
「ワハハハハ! 潰し合うがいい!」
 元凶の哄笑が響き、機械同士が自滅していく騒音が会場を満たしていく。
「逃げろぉ!」
「こんなのに巻き込まれたら大けがをするぞ!」
 人々が我先に逃げ出す。
 そんな中、悪漢とは反対の端にいたケー学園の学生達も混乱していた。
「こいつはヤベェ! 俺たちも早く逃げようぜ!」
「ちょっと待って」
 逃げる気満々ムードの中、飛び交う機器に警戒しながらひとりが言う。
「あの変態テロリストが出たってことは、【機紅戦姫ソニア】も現れるんじゃない?」
「……おぉ!」
 避難も忘れて数人が立ち止まる。
「あいつが暴れるところに駆けつけて、華麗に成敗してくれる正義のヒロイン!」
「どういうわけか、肉眼で見ても顔だけはすぐに忘れて、撮影機器で映してもボヤけちまう不思議ヒロイン!」
「けど、SF的なアーマーにパツパツスーツのエロボディヒロイン!」
「男子ってサイテー! クールって言いなさいよ!」
「とにかく、たとえ顔を忘れたり記録できなかったりしても、見られるものなら見てみたい人気ヒロイン!」
「んじゃ、現れるのを待つとするか」
 誰かの言葉に、賛成の唱和。
「ダメ!」
 ソフィアが叱りつけた。
「それは、【機紅戦姫ソニア】が来てくれたら解決してくれるでしょうけど、こんな犯罪行為をしてるあの変態は、理解不能男。怪我をする前に避難した方が賢明よ」
「えー」
 一斉に不満を露わにするクラスメイトに、威嚇するネコみたいな顔になる。
「えー、じゃない! ほら早く! 速やかに、確実に! 逃げ遅れた人は助けながら!」
「ちぇ。ソフィアちゃんに言われたら弱いなぁ……」
「馬鹿。ソフィアちゃんの言うことなのよ? 正しいに決まってるじゃないの」
「しゃぁないな~」
 やりたくない体育をするときのように、ダラダラ逃げていく一同。
 ソフィアはしんがりを務めたが、頃合いを見て横にそれた。
 人気のない細い廊下で、胸ポケットからケータイ型の端末を取り出す。
「ざっと見たところ、最後の避難者はわたしたち。だから、思い切り戦えるわね」
 高々と掲げて、
「あの悪漢と戦うために、わたしがお爺さまと開発したこの力で変身よ!」
 凛と叫ぶ。
「〝スカーレット・プロシード〟!」
 端末の画面から深紅の光が迸る。
 無数に分かれて帯となったそれは、またたくまに彼女を包み、ほどなく弾ける。
 ピカァッ!
 霧が晴れるように光が消えると、女子校生の姿は一変していた。
 隙間なく密着するほどタイトで、紙のように薄い紅色のアンダーウェアが若い女体を包み、素顔の目元にはエメラルドグリーンのバイザー。さらには、籠手、鉄靴、胸当、肩当といった、肉厚で深紅の鎧のパーツも付いている。
 可憐な金髪の頭には、幅の広い一対のブレードアンテナが、長耳のように立っていた。
 どこを見ても、女子校生の面影はない。そこにいるのは、SF活劇から抜け出してきたかのような、瀟洒で魅惑的なスーパーヒロインだった。
「【機紅戦姫ソニア】に変身完了!」
 会場にとって返す。
「そこまでよ!」
「貴様は!」
 颯爽と乗り込むなり、機械を操って潰し合わせている悪漢に指を差す。
「科学は人類の英知にして、人々の想いが詰まった希望の宝! それを踏みにじるあなたなんか、わたしがやっつけてやるわ!」
「ほざけ! そんなことは不可能だと知るがいい!」
「あなたが操る悪い機械なんか、いつものように粉々にするわよ!」
「科学は大事などとと言う癖になんて暴力的なことを……この科学差別主義者め!」
「そっちだって!」
「なに?」
「呪いなんて言うけど、どうせ自分の科学の力で展示品を操ってるくせに」
 案外素直に悪は認める。
「当然だ。精神力はしょせん、物理的な力を持たん。ならば、科学力を使うのみ。科学は憎いが、地球のためにオレが使うものは崇高! よって問題なし!」
「詭弁よ!」
 悪漢は心の底から本当にそう思っているのだろう。
 非難されても意に介した様子はない。
 涼しい顔で話題を変える。
「それよりも、貴様はいいのか?」
「なんのことよ」
「オレが操るこれらの機器は、すべて会場の展示品。オレが生み出した物ではない」
「あ」
 意地悪く笑う悪漢。
「そうだ。潰し合っているこいつらは、貴様が守りたいと言う科学の申し子。そんな物に手出しできるのか?」
「なんて卑劣な!」
 悪漢が勢いよく片手を突き出す。
「潰し合いは中断だ!」
 何十、何百という壊れかけの機器がぴたりと止まる。
「お前達には無抵抗の【機紅戦姫ソニア】を倒すのだ!」
 次の瞬間、ひとつ残らず彼女に殺到。
「ふはははは! 三百六十度を埋め尽くしてからの、猛スピードの体当たり。超人的な強さを誇る貴様でも、ひとたまりもあるまい!」
 ドバンッ!
 正義のヒロインに突撃した数十の機器が、同時にはじけ飛んだ。
「なんだと!?」
 状況確認のために、まだまだ残っている機器をその場で止める。
「うぅ……うぅぅぅ……」
 ソニアはバイザーの目元から大粒の涙を流していた。
 しかし、スーツのカラダには傷どころか埃のひとつもついていない。
「どうやら、目にもとまらぬ早さで第一波をすべて叩き落としたようだが……無傷なのにどうして泣いている?」
「罪のない機械達をこの手にかけたからに決まってるじゃない……!」
 嗚咽混じりに呟いて、元凶をキッと見据える。
「絶対に許さないわよ……わたしにこの子達を壊させるなんて!」
「貴様が自分の安全最優先で、ぶっ壊したのだろうが!」
「やかましい! あんたが操ってぶつけてこなかったら、なにもしなかったわよ!」
「ぬぅ……!」
 呻く悪漢。
「これでは思い切りぶつけても、容赦なくガラクタに変えられる……壊すのが目的なのだから、それはそれで好都合だが、卑劣と呼ばれたこの方法であのクソアマをやっつけられないのは悔しい……ならば!」
 カッと目を見開いて、
「集まって、密着して、凝縮しろ、オレが操る機械ども!」
 浮遊していた機械達が、ソニアの頭上に集結。
 見えない大きな手で押し潰されていくかのように凝り固まっていく。
「どうする気……!」
「むろん、正義の鉄槌をくだすつもりだ!」
 機器の群れは、逆さの巨大な鉄槌の形を取った。
「地球の呪いで滅ぶがいい!」
 鉄槌を持って振り下ろすジェスチャー。
 ソレが呼応し、彼女の脳天めがけて落下。
「負けるものですか! 〝モード・ビッグパンチ〟!」
 正義のヒロインは、頭上めがけてアッパーめいたパンチ。
「むぉ!」
 その途中で、拳が異様に肥大。鉄槌も片手で握れる大きさになった。
「この強化スーツは、状況に応じて変化させられるのよ! 今は、膨張と硬化、それにパワーアシスト機能をフル稼働させてるわ!」
 ドガァンンンンンン!
 巨大な鉄槌はヒロインのパンチで打ち砕かれ、粉みじんとなって飛散する。
「こんなことになろうとは……!」
 呻く悪漢。
「終りね、科学の敵!」
 無傷の拳を元に戻し、勢いよく彼へ突き出す。
「今ので叩きつぶしてやりたかったが、こうなっては仕方がない……奥の手だっ」
「……え?」
「オレの力よ! 地球の怒りよ! この偽善者を呪え!」
 周囲に散らばる機器の残骸から、黒いモヤが立ち上った。
「どういうつもりなの……!」
 変身ヒロインの全身を包み、ほどなく消える。
「今のは一体……見たところ、わたしの身体に変化はないけど……」
 全身を見回して困惑する彼女。
「くくく……貴様はもうおしまいだ! 二度と変身ヒロイン活動ができないよう、たっぷり辱めてくれる!」
 悪の男が傲然と宣言。
「まずは武装解除だ。【機紅戦姫ソニア】の鎧部分よ、パージしろ!」
 命令口調で叫ぶ。
 しかし。
「なに言ってるの? ……あ、そうか。さっきの黒いモヤは会場の機械を操っていたナノマシンの群れね。とっても小さいメカが取り付いて、制御中枢を乗っ取って、それをあなたが脳波コントロール辺りで操作していたんだわ」
「敵の貴様に仕掛けを明かすのも癪だが、その通り。しかしなぜだ、なぜ効かん……!」
「お生憎様」
「なんだと?」
「この強化スーツは、本体の自動制御とわたしの脳波コントロールで動かしているの。いわば、二段構えのセキュリティね。絶対に乗っ取れないわよ。悪の科学なんかに屈しないんだから!」
 自信満々に言い返す。
「ほう」
 意味ありげに微笑する悪漢。
「なによ」
「脳波コントロール……つまり、脳みそで制御していると、そう言ったな」
「それがどうかした?」
「ふはははは! ならばやはりオレの勝ちだな。地球の呪いのナノマシンよ! 〝対人傀儡モード〟発動! 頭部に電波照射! その女の脳に干渉し、鎧のパージを実行させよ!」
 すると。
「えぇ!?」
 纏う鎧がひとつ残らず脱落する。
 ガチャンッッッ!
「こんなことって……!」
 驚愕する変身ヒロイン。
「わははははは!」
 悪は今までで一番機嫌よく哄笑。
「貴様も知っていよう。身体は脳の指令によって動いている。その脳のBA10と呼ばれる部位へ特殊な電波を照射すれば、意志とは無関係に身体を動かせる」
「くっ!」
「これは数十年前に行われた実験で証明されている事実。それを完成させたシステムが、地球の呪いことナノマシンに搭載されているのだ! 人間が直接使うものだからな。強化スーツの制御については、コンピューターよりも脳波コントロールの影響の方が強いのだろう? だからこそ、脳に干渉する手管が機械にするそれよりも有効なのだ」
「卑怯者!」
 変身ヒロインが侮蔑を籠めて叫ぶ。
「その技術は、身体が不自由な人のハンディキャップを治療することだけに、法律で許されているものじゃないの! こんな風に悪用するなんて最低よ!」
「馬鹿め、これも科学の一面だ」
 嘲笑。
「科学それ自体は概念の存在であり、あるいはただの道具。しかし、使う人間次第でどういう風にも用いられる。また、大きな力故に人間を狂わせもする! オレはその悪の力を食い止めようとしているのだ! 正義のためなら、貴様にとっての悪用もまた正義!」
「ほんっとサイテー、この変態!」
「負け犬の遠吠えだな」
 そのとき、腰巻きに入れていた端末が振動。
「ちょっと待て。そのまま待機していろ」
 取り出す。
「今だわ……えいっ……ふっ……ダメ、ぜんぜん動かない……でも諦めないわよ……!」
 身体の主導権を奪われて、仁王立ちで固まっているヒロインが、自分の意志で動こうと躍起になっているのを横目に画面タッチ。
「でかした、【地球戦士アーサー】!」
「じいちゃん!」
 表示された祖父と小声で言い合う孫。
「状況は把握しておる。遂に小娘を生け捕りにしたのだな」
「新発明のナノマシンのお陰さ。本当は、守るべき科学の利器で真っ正面から叩きつぶされる屈辱と惨めさを刻みつけて倒したかったんだけど、この女、なんだかんだで粉砕しやがった。理不尽だぜ」
「愚かな小娘だ。そこでやられていれば、最悪に恥をかかされずに済んだものを」
「こんな展開のための準備は、できてるんだな?」
「むろんだ。ナノマシンには、色々な機能をつけておいた。小娘の肉体支配に加わっていない一部のものに、その中のいくつかを使わせ、公開処刑の準備を整わせた!」
「じゃぁ!」
「そう。ネットに撒いた大量のBOT……自動行動プログラムもバリバリ働き、現場は今、動画サイトに好評ライブ配信中! いいシーンはリアルタイムで編集し、即座にアップロードする支度が調っておる!」
「おお!」
「BOTはまた、国内のあらゆるSNSや掲示板で、文章による実況を行っている!」
「そうか!」
「その気になればテレビやラジオのジャックもできるが、お子様やご父兄に配慮して、こっちはよしておいた」
「オレがこれからするのは、十八禁だもんな」
「では、引き続き頑張れ」
 画面が暗転。通信が切れた端末を再び腰巻きにしまう。
 と、遠くからたくさんの足音が聞こえてきた。
 我先に駆けてくるという感じで、まるで地響きだ。
「今度はなんなの……? まさか……!」
 結局、どんなにあがいても自分が敵の手中にあることだけを思い知らされた変身ヒロインが、引きつった顔をする。
「うわ! 【機紅戦姫ソニア】だ!」
「動画サイトの映像や、SNSの実況コメみたいな感じにマジでなってる!」
 ケー学園の学生やその他の一般人を合わせて数十人。
 避難したはずの来場者が、とって返してきたのだ。
「こんなところ、見られたくないのに……あなたの仕業ね!」
「あぁ。色々なメディアを使い、貴様の敗北処刑シーンを広めている。これはそのひとつの成果だ」
「敗北処刑ですって……! わたしを殺すの……!?」
 青ざめたバイザーの顔に、悪の男が否定する。
「殺しはしない! オレは地球の味方だからな。たとえ科学を盲信する馬鹿な女でも、地球から生まれた生き物。無闇に殺すわけにはいかん」
「機械とか鉄槌とか、普通なら死んでもおかしくないのをぶつけてきたくせに……」
 悪漢は無視して続けた。
「先ほども言ったが、二度と刃向かえないように叩きつぶすのだ! 具体的には、公衆の面前で辱める!」
「なんですって!」
「ネット中継だけではない。あらゆる手段で力の限り拡散する。ネットリテラシーの程度が低い現代人は、面白おかしく拡散するだろうから、拡散が拡散を誘発する寸法だ。野次馬根性丸出しでやってきたこいつらも、拡散するだろう。そうなれば、恥ずかしい動画も静画も文字情報も、根絶するのはまず不可能。地球に逆らった者の末路は、ネット上で、あるいは端末の画面で永遠に見世物になるというわけだ」
「そんなことになれば確かに、二度と人前に出られないわ! 恥ずかしすぎて!」
「ふはははは、怖かろう! それでは、処刑の再開だ!」
「やめなさい!」
「ガニ股になれ!」
「ッ!?」
「敗残者らしく、惨めに頭の後ろで手を組み、そのムチムチした若い太ももを目一杯開き、女が最も秘めるべき股間を全開にし、なおかついやらしく突き出すのだ。屈辱と羞恥の服従ポーズをとるのだよ!」
 拒絶を許さない声音で命じてくる。
「だ、誰がそんなことを……ぇ……う、ダメ、身体が勝手に動いちゃう……!」
 アーマーヒロインから、パツパツスーツヒロインにさせられた彼女の身体は忠実に実行。
 頭の後ろで手を組み、腰を前に出して、両方の太ももを大開き――そんな、胸元と股間を強調する姿をとらされる。
「ぬはははは! いいザマだな【機紅戦姫ソニア】!」
「すぐに戻しなさい!」
「嫌だね。次は衣装チェンジだ」
「……な!?」
「スーツよ、オレのイメージ通りに卑猥に変われ!」
 ナノマシンは瞬時に悪漢のイメージを受信した。
 間髪入れずに、正義のヒロインに特殊電波を照射。
 彼女の脳を操って、淫猥なフォームチェンジを実行させる。
 シュルルルル!
 強化スーツの各部が収縮。乙女のきめ細かい柔肌が、みるみる露わになっていく。
「う、うそっ……なんなのよ、この猥褻なデザインは!」
 全身をぴっちり覆っていたスーツは、かなり布地が少なくなっていた。
 二の腕の半分が露出し、ウエストから太ももの半ばにかけてが、大胆に剥き出しになっている。
 襟ぐりもかなり大きくなっていた。押しくらまんじゅうをする内乳は、溶けかけのソフトクリームの風情でスーツからはみ出し、I字の胸の谷間はすっかり見えてしまっている。
「肘を超えるロンググローブに、パーティードレス並みに襟ぐりが広くて股間が際どいハイレグレオタードに、ガーターベルトストッキングだけをつけたような、なんともいやらしい姿だ」
「なんて姿にするのよ、この変態! いえ、ド変態!」
「しかも、頭の後ろで手を組んで、メロンみたいな巨乳を突き出し、なおかつ、細い縦線と化したコスチュームの特殊生地を陰裂に食い込ませ、こんもり育った大陰唇を突き出し、これ以上ないほど強調している。正義の変身ヒロインとは思えない、最低のビッチルックだな!」
「あんたがやらせたんでしょ! この、超変態!」
 真っ赤な顔で反論するが、怒っているのは彼女だけだった。
「【機紅戦姫ソニア】すげぇエロい!」
「見ろよ、配信されてる生放送。全身、特にオマンコを高解像度かつ絶妙のカメラワークで舐めるように撮って見せてくれてる!」
「たまんねぇなァ、おい」
 ケー学園の男子や一般人男性は大喜び。
 うら若い乙女の危機になど頓着せず、欲望のままに近づいてくる。
「遠慮せずに間近で見るがいい。滅多に見られない、正義のヒロインの陵辱ショーだぞ!」
 元凶は手出ししない。むしろ、推奨する。
「冗談じゃないわ! こんな婦女暴行、男が許しても女は許さないわよ!」
「よくわからないけど、いつも頑張ってくれてる【機紅戦姫ソニア】を助けないと!」
 女子校生や、キャリアウーマンらしき大人の女がやる気を漲らせる。
「おっと、邪魔はさせんぞ」
 正義のヒロインの身体から、黒いモヤが立ち上る。
「一部を警備に当たらせる」
 飛び散って、彼女に粉砕された機器の残骸に取り付いた。
 瞬く間に寄り集まって人型を取る。
 そんな無数の機械達は、ガチャンガチャンという規則正しい足取りで男達の輪のすぐ外側へ移動。暴徒を遮る警官のようなバリケードとなる。
「こんなのにひるむもんですか!」
 血気盛んな女性が警備ロボに飛びかかろうとしたとき、ロボが反応した。片手を突き出し、先端を射出する。
「ひぃ!」
 勢いよく飛び出たそれは、彼女の足下に着弾。けたたましい破裂音と共にフローリングの床が浅く抉れ、蜘蛛の巣状にヒビが広がる。
「人間に当たれば骨折ものの威力だ。邪魔するのなら、それをやめるまで身体のどこかに打ち込み続ける。ケガをさせたくはないが、正義に刃向かう悪行とは断固として戦うぞ」
「うぅ……」
 気を吐いていた女性陣はへたりこんでしまう。
「わたしのことはいいの。その気持ちだけで嬉しいわ。無茶はしないで」
 変身ヒロインは気丈に笑う。
「やせ我慢を。目元のバイザーを奪われ、素顔を暴露されても続くかな?」
「す、素顔位なによ! ……どうせ、人間が肉眼で見ても、わたしから目を離したらすぐに忘れるし、機械にもまともに映らないもの! 後腐れないなら、平気だわ!」
「貴様のスーツから、そういう効果の特殊電波が出ているのは把握している。残念ながら、オレの力でも、無効にできない」
「当たり前よ。わたしの自慢の発明ですもの」
「しかし」
「え?」
「限定的になら可能だ」
「……っ!」
「オレの顔の隈取り。それを形成する超高性能過ぎて、かなり量産しにくいナノマシンが無効化し、オレだけは、素顔を記憶できるようになっている」
「う、うそ……!」
「オレの処刑を受け、無様に変わる貴様の表情。それを記憶できないのは、もったいないからな」
「わたしの顔をあんたみたいな悪人に見られるなんて、いや!」
「嫌がっても無駄だ! オレはこの、変身ヒロインのシンボルのバイザーを外し、誰も知らない【機紅戦姫ソニア】の素顔を、存分に見る! これぞ、勝利した正義の特権だ!」
 戦いの中で落ちるどころかズレたこともないだけに、恐らくは脳波コントロールでガッチリ保持していたのだろうが、それを掌握されていたのでは意味がない。
「正体の欺瞞に成功していながら隠すのだ。さぞ、醜い顔なのだろうな!」
「いやっ! こんな奴に素顔を見られたくない……!」
 変身ヒロインのバイザーは、まるでメガネを外すみたいに、敵の手であっけなく引き剥がされた。
 手を伸ばせば触れる距離から見物している男達は目を剥き、息を呑む。
「すげぇ……」
「ネットで想像されてた素顔よりも、遥かに美人だぞ……!」
「つうか、見た目おれらのタメ? 【機紅戦姫ソニア】ちゃんは女子校生ってこと?」
 正義のヒロインの言葉通りなら、見ている限りは忘れないらしい男達が、うんうん頷く。
「見ないで……!」
 悪漢以外には記憶されないといっても、隠していた素顔をじろじろ見られるのは惨めなのだろう。
 眉根を寄せて落ち込んだ顔をする彼女。
「なんと……」
 呻く悪漢。
(この女子ってどう見ても、科学屋ソフィアちゃん……オレのクラスメイトだ!)
 素顔が顔見知りだった衝撃で、変身後の凶悪さが少し弱まる。
(ソニアのスーツが放ってる、ヒトの認識力に干渉する電波のせいで、他のクラスメイトは気づいていないけど間違いない……オレはクラスメイトを処刑しようとしていたのか)
 罪悪感で胸が鈍く痛む。
 敵対関係にあるということしか接点のない相手なら、まだ冷酷になれる。
 だが、相手が身近な、しかも憧れの女子というと疑念が湧く。
(いくらなんでもそれはマズイ…………けど……)
 ネットを駆使して拡散し、皆に向かって処刑処刑と言ったのだ。
 ここでやめては沽券に関わる。
「なによ……じろじろ見て……!」
 実はクラスメイトの変身ヒロインは、敵には気丈に睨んでくる。
 絶体絶命だというのに、弱々しさも、媚びて許しを請う様子もない。
 正義の気高いヒロインという言葉がぴったりの、最高の女子だ。
 ゾクリ……。
 悪の男子校生の胸が、妖しくざわめく。
(このソフィアちゃん……いや、【機紅戦姫ソニア】を、オレは辱められるんだ)
 改めて肢体を見る。
 卑猥に変えてやったコスチューム姿は、見れば見るほど扇情的だ。
(ぴっちりスーツでパツンパツンの巨乳も……いやらしく突き出てる女のアソコ……オマンコだって、自由にできる……)
 考えてみれば彼女には、浮いた噂ひとつない。
 彼氏がいる女子のように、男を匂わせるところもない。
(ソフィアちゃんはきっと処女だ……人気者で、いつも男子に囲まれてる女子だけど、オッパイだってオマンコだって、触れたことがある男子なんて、いない……でも……!)
 その気になれば、自分はできる。
 処女だって、奪える。
 彼女の生涯で、たった一人だけがなれる、初体験の男にだってなれるのだ。
(やってやるぞ……逃す手はない……)
 決意。
(オレは童貞だけど、セックスには興味津々。性欲旺盛の男子校生……)
 固く決意。
(エロのことは、本とかでたっぷり勉強してきた……オレはモテないから、一生活かせない無駄な知識を溜め込んでると思ってたけど、ソフィアちゃんの身体に、存分に発揮できるなんて、すごくついてる。世界一ついてる男子校生だ!)
 後戻りする気などない。
(これも地球の……正義のための公開処刑だから問題はない……ゴーカンなどという最低の行為とは似て非なる聖なる行いなんだから、マズイどころか善行なんだし!)
 やる気満々で、敗北ヒロインの背後に回る。
「ククク……処刑を始めるぞ。覚悟はいいか?」
「具体的になにをするのかは知らないけど、わたしは負けないわよ……!」
「自信満々だな」
「わたしのスーツには、緊急時用の安全装置がついているのよ」
「ほぅ」
「通常と著しく異なる状況……つまりは異常を感知したら、装着者の意志に関係なく、身体を操って安全な場所に避難させるセーフティープログラムよ」
「ふむ」
「脳波コントロールシステムはともかく、スーツ自体の制御システムは、あんたのナノマシンの支配をはねのけてる。不正なアクセスの影響はでているようだけれど、自動修復プログラムが解決してくれるわ。もうじき、セーフティープログラムが実行されるの!」
「なるほどな」
「わたしは、邪悪な科学の敵なんかに絶対負けないわ!」
「馬鹿め」
 戦意が燃え上がる正義のヒロインに、嘲笑混じりに命令。
「ならば、そのセーフティープログラムとやらを停止させろ」
「ッ!?」
「脳波コントロールでやめさせるのだ」
「お断りよ……!」
 変身ヒロインは歯を食いしばり、悪のメカの支配に抵抗する。
「む」
 意識を集中する悪漢。
「依然として中枢は健在か……」
 ナノマシンから脳に送られてくる、スーツの制御中枢の掌握状況を感じ取る。
「これは驚いた。この女の強い気持ちが、ナノマシンに主導権を握られている脳に影響し、特殊電波による支配を妨げている。身体の自由を奪い返すほどではないが、大したものだ」
「セーフティープログラムだけに頼るつもりはないわ」
 絶体絶命のヒロインとは思えない位に強い声で言ってくる。
「自分の意志の力で、身体の自由を奪い返してやる……!」
 知的なアメシストの瞳は、強い輝きを帯びていた。
「調子に乗るなよ……」
 悪漢は、低くドスの効いた声で語りかける。
「意志の力を削る意味でも処刑開始だッ! 徹底的に辱め、オレに屈服させてやる!」
「なにをしても無駄よ! わたしは絶対に屈しない!」
 力強く叫びあうふたり。
「フン」
 悪漢がせせら笑う。
「勇ましい決意表明だが、いやらしいガニ股ポーズで言われてもな」
「くっ……!」
 正義の乙女は、芸能人じみた真っ白い歯で歯がみする。
 悔しそうに目尻が上がり、アメシストの瞳は猛烈な敵愾心で煌めくが、甲斐はない。
 なにせ、力の象徴であるアーマーは、金髪の中からウサギの耳のように立っている一対のブレードアンテナを除いて剥落している。
 意志ひとつで伸縮自在のアンダーウェア――パツパツコスチュームは、うら若い女体をふしだらに飾る淫猥衣装になりはてている。
 誰が見ても、敗北ヒロインにしか見えない状況なのだ。
「たとえ悪に屈しない姿勢を明確に示しても、むなしいどころか、男の下劣な征服欲を煽るパフォーマンスにしか見えないぞ」
「そんな感じ方をするだなんて、あなたって本当に変態だわ……!」
「変態に負けた女がいうものだ」
 勝利した悪は、なじられても動じない。
 むしろ、ますますいやらしい笑みを浮かべる。
「それにしても」
 すんすん鼻を鳴らす。
「全身から、清涼系の心地いい匂いがする。正義のヒロイン気取りで、はしたないことをしていても、年頃の娘らしく身だしなみには気を遣っているらしい。しかも、これはいい香水だ。オレにはわかるぞ。オーガニック……有機栽培した植物だけを使ったものだな」
「それがなによ」
 言外に認める彼女。
「科学による合成品を愛用していないのは、地球の自然大好き戦士であるオレの好むところだ。褒美の意味も込め、恥と性の悦びをたっぷり表現させてやる」
 背後に回っている悪漢が行動。
 格闘家みたいに大きくゴツゴツした手を動かす。ヒロインの肩の上から通し、正面にやった。
「まずはココだな」
「っ……!」
 おおおおッ!
 紅のコスチュームの乙女の全身が強張り、淫猥ショーの客達が歓声を上げた。
「正義のヒロインを名乗るくせに、破廉恥に実らせたオッパイだ。ここで恥をかかせる」
 コスチュームが鳩尾まで大きくV字に裂けている胸元に、毒々しく日焼けした指が接触。
「触らないで!」
「嫌なら逃げればいい」
「ッ……!」
 頭を後ろに回すガニ股ポーズからどうしても抜け出せない敗北ヒロインは、血が滲みそうな位に下唇を噛む。
「ほら急げ」
 盛り上がりながらV字の胸元からはみ出す内乳や前乳にも、Iの字を描く深い谷間の浅瀬にも、敵の十指が這い回る。
「でなければ、悪の手がすべてをまさぐり、汚してしまうぞ?」
「この卑怯者……!」
 それしかできないヒロインは、心底悔しそうな顔をする。
「女にとって大事なところを触れられ、犯されているのだぞ? 悪態をついても、それがなにになる。諦めずに抵抗したらどうだ」
 我が物顔でまさぐりながら揶揄する。
「諦めてないわよ……でも……ぐっ……どうしても動かない……!」
 悪漢はほくそ笑みながら、露出する乳肌に手垢をつける。
「いい触り心地だ」
 触れるか触れないかのフェザータッチを行って、表面に生える産毛を撫でて歩くような具合で、渡り歩く。
「まるでミルクみたいに生白く、きめ細かい外見もいい。だが、このスベスベした触れ心地も堪らないな。しかも、ごくごく軽く触れているだけだというのに、吸い付いてくる」
「うっ……」
 正義の乙女が呻く。
(こんな奴にいいように触られるなんて屈辱だわ…………でも……)
 胸がざわめいていた。
(なんなの、この感じは……)
 生まれて初めて覚える感覚に戸惑う。
 卑劣な十の指先――爪先から第一関節までの範囲全体を使い、指紋の凸凹で乳肌をダイレクトに磨く風にまさぐられていると、連山になりながらI字の谷間を作っている上乳も、突出するようにコスチュームからはみ出している前乳も、妙なむず痒さに襲われる。
(虫刺されとかの、すぐにかきたくなる痒さじゃない……背筋が妖しくゾクゾクする感じも伴う、今まで感じたことのないものだわ……)
 奇妙な痒さは次第に熱も伴い始め、乳房全体に広がっていく。
(恐らく、こういうのが性感なのね)
 気付いて緊張する。
(こんな風に昂ぶらせて、自分を倒した敵の手でいやらしく乱れさせるつもりなのだわ……負けるものですかっ)
 性の快感に抵抗し、悪への怒りでその支配に打ち勝つ気持ちで、気合いを入れる。
 しかし。
(うぅ……こいつったら、ここまでしつこくバストに触れてくるの……?)
 五分十分とされているうちに、乙女の乳肌はすっかり火照ってしまう。
 剥き出しの柔肌は、まるで性に目覚めたみたいに色っぽく赤らんでいた。
 微細な汗がところどころに浮いており、スーツの内部などは不快に蒸れ始めている。
「いい加減、やめなさいよ……んっ……乙女のバストはオモチャじゃないのよ?」
 悪党の手から逃れようと一生懸命身をよじり、けれど実際は数センチほどしか右にも左にも身体を動かせないのを続けながら、抗議。
「ククク……オッパイを揺すりながら言われても、挑発してるとしか思えないな」
 乙女の肌を渡り歩いていたゴツイ指先が、胸の谷間に集まった。
「どうやら、ココが一番好きらしい」
 まるで羽ぼうきで掃くような仕草で、谷間の入り口を丹念にさすってくる。
「ぅ…………んふ…………んっ……」
 ゆっくりゆっくり。
 けれど、一定のリズムで繰り返してくる。
(これって……!)
 変身ヒロインの眉間に皺が寄る。
 むず痒いというよりも、性感と断言できる感覚が、谷間の周囲に湧いていた。
 押し合う内乳は急速に蒸れ、香水以上に濃厚な乙女の甘い体臭が立ち上る。
「んっ……くぅっ……!」
 息の乱れが大きくなる。
 なにもしていないと、艶めかしい声が漏れてしまいそう。
 衆人環視で喘がされるという恥の上塗りを回避したい一心で、下唇を噛み、声の出口を塞ぐ。
「んふっ……んんっ……ンフ……!」
 だが、代わりに鼻息が荒くなる。
「声を抑えようとしているな? 無駄だ!」
 あえがないのと引き替えに、敵の愛撫が確実に効いていることを教えてしまった――それほど余裕をなくしている才媛ヒロインに、
 はぁぁぁぁ……!
 上背があるのを利用して、斜め上から思い切り息を吹きかける。
 腹の底から搾り出し、開けた大口から長くゆっくり放出した熱くて大きめの気塊は、本人も知らなかった弱点ごと、上乳全体を押しつぶす。
「ああぁ……!」
 悩ましく眉根を寄せながら、とうとう大きな声を出してしまう変身ヒロイン。
 バストの性感と火照りを加速させる、自分泣かせの愛撫を受けているところに、湿った熱波を浴びせられるのは堪らなかった。
 瞬間的に増大した望まぬ快感に背筋が小さく仰け反り、汗ばみだした金髪が舞う。
 とっくに汗みずくになっていた乙女のバストは、まるで大喜びしているかのように根元から弾み、量感たっぷりの揺れを披露してしまう。
「すげぇ!」
 観衆が鼻息を荒くする。
「【機紅戦姫ソニア】が、本気で感じてる!」
「敵にオッパイを触られて、マジで発情してる!」
「うひょー! ソニアちゃんエロすぎ!」
 今まで誰も見たことのない正義のヒロインの痴態に大興奮。
 手持ちのケータイのレンズを向けて、容赦なく激写する。
「やめて見ないで、撮らないで……あんっ」
 悪党以外には顔が記憶できないといっても、直に見られたり撮影されたりして、なんとも思わないわけではない。
「ああっ……女の子のこんな姿に興奮するなんていけないわ……はあぁっ……」
 悪党にさらに愛撫されながら注意するものの、男達は止まらない。
 唇を噛んで声を抑えなくなったせいで、あえぎ声が溢れてしまう度に、ケータイのシャッター音が鳴り響く。
「ふははは!」
 悪の男が哄笑する。
「容量を使い切るなよ? まだまだこれからなのだからな」
 舌なめずりしながら観衆に宣言。
(よっしゃ! オレの悪の愛撫で【機紅戦姫ソニア】が感じてる!)
 自称、地球の戦士であるテロリスト男子校生は、クラスメイトで憧れの女子である変身ヒロインの有り様を見て、心の中でガッツポーズをとる。
(オレのテクニックが、ソニアちゃんに通用してるぞ!)
 喜びのあまり、変身後の野性的な向きが弱まり、本来の性格が顔を出していた。
 知識は溜め込んでいても、女体に触れるなど初めて。
 それだけに、不安があった。
 想像を超える柔肌の触れ心地や、学園では言葉を交わすことも希である大好きな女子に性的なことをしている快感が手伝って、最初のフェザータッチでは、実は指が震えた。
 しかし、精神力を総動員して意識を保ち、彼女の反応を観察して、谷間が弱そうだと見当をつけたら大当たり。
 今まで感じたことのない強烈な達成感が、嬉しさを何倍にもしている。
(この調子で、もっと感じさせてやる)
 改めて決意。
(誰も見たことのない……その上、目の前のコイツらは絶対に記憶できない、ソニアちゃんのエロい顔をどんどん引き出して、目に焼き付けるんだ……オレはこの女の子と、最高のセックスをして、辱めるぞ!)
 谷間から指先を離し、無防備に開いて女の熱い香りをくゆらせる脇の下から手を通す。
 充血の膨らみで存在感を増し始めた乳首と乳輪のすぐ上で、十指を広げる。
「今度は、オッパイの本体だ」
 変身して大きくゴツくなった手のひらからも軽々とはみ出す、正義のヒロインにしてクラスの人気者の若いバストを、軽く鷲づかみ。
 薄くて硬いが心地よくスベスベするシルクめいた手触りのコスチュームごと、内側で熱く蒸れている肉果実に浅く指を食い込ませる。
「はあ……はあ……なにをする気なの……?」
「すぐにわかる」
 動かしても指がズレない程度の力を込めながら、独り占めするバストをゆっくり捏ねる。
「んっ……はぁ……い、いや……」
 再び下唇を噛んで、いやらしい声を抑えようとする変身ヒロイン。
「正義の地球の代弁行為を邪魔してきた貴様の大事な部分を好きにできて、満足だ」
「憎まれ口を叩いて、恥ずかしい声を出させようとしてもお見通しよ……んふ……ンン」
 悪の男は必死にあえぎ声を押し殺す彼女の表情を見ながら、続ける。
「そんなことをしても、口から出すよりもふしだらな声が、鼻から漏れるぞ?」
 しっかり鷲づかみにして、右回り左回り。
 初めて触れるものにして、憧れのクラスメイトの女のシンボルでもある、極上の美巨乳の感触を楽しみながら、延々と続ける。
「それにしても、どこまでもいやらしいオッパイだな。肌も極上だが、この、手のひらにずっしりくる重さはどうだ」
 じっくり優しく行いながら、快感神経が走る乳房の内部までよく揺すぶる。
「片方だけでも、二三キロはありそうだ。おまけに、反発力も抜群。軽く指を埋めているとはいえ、心地よく跳ね返してくる」
 なにより胸板との付け根部分を意識して刺激する。
「実に、処刑し甲斐のあるオッパイだ」
 するとほどなく。
「ンンッ……んああぁ……な、なによこれ……あはあぁぁ……」
 明らかな戸惑いの声と、性の悦びが籠もった熱い吐息の漏出。
 変身ヒロインの胸元は、最初に高くあえいだときよりも艶めかしく、くねる。
「胸が熱い……熱くて気持ちいい……あぁ、背筋のゾクゾクが止まらない……!」
 声を抑えるのも忘れて、実況してしまう。
「そんなことを口にするなど、性感が増して抵抗力が弱まった証拠だな」
 ほくそ笑む悪党。
 自分の手管でクラスメイトが色っぽく悶えている様子にペニスを硬くさせながら、説明してやる。
「脇の下側のオッパイの付け根付近は、スペンス乳腺と言われている。ここは、女の性感帯のひとつでな。丹念に刺激し、女の自覚を引き出してやるとこうなるというわけだ」
 言った地帯をしつこく捏ねて、爛れた快楽を与えてやる。
 やられる彼女はアンと甲高く鳴き、本当に性的に弱いのを暴露してしまう。
「オッパイが張って大きくなってきたぞ? 気持ちいいのだな」
「だ、誰が……あっ、はぅぅぅ……!」
 反論した瞬間、これまでの愛撫で察知した好みの早さで捏ねてやると、撤回のよがり声を自ら出した。
「乳輪も乳首も、こんなに恥ずかしく勃起させてる癖に、素直じゃないな」
 コスチュームを押し上げて、杯を逆さにしたような形を見せつけている先端に、親指と人指し指を伸ばす。
「こっちも同時に責めてやろう」
「なんですって……!」
 あえぎながら目を剥くヒロイン。
「そんなことをされたら……さっきみたいに……」
「ああ」
 理解している変身ヒロインにとどめを刺す心地で、
「胸の谷間を責めていたとき、オレの吐息を浴びせられたのがダメ押しとなって、抑えていたいやらしい声が溢れてしまったな。つまり、異なる快感を同時に味わわされるほど、性感は増すということだ」
 胸板と触れている肩が恐怖で強ばっているのに嗜虐心をかき立てられながら、
「乳輪も乳首も、スペンス乳腺のような女の性感帯のひとつ。感度や悦びの度合いを言えば、さらに上。そんなところも同時に愛撫されたら、貴様などひとたまりもない」
「やめなさいよ! これ以上、女の子に恥をかかせる気!?」
「そうすると、初めから言っていたぞ」
「うっ……」
 絶望するように押し黙った正義のヒロインの様子に気をよくしながら、
「今までオッパイに触られたこともない処女なのだろう? そんな貴様に、敵のオレが、オーガズムというものを教えてやる」
「……なんてことを言ってるのよっ」
「オッパイでイカせると言っているのだ!」
 おおおおおおおおお!
 観衆がどよめく。
「【機紅戦姫ソニア】が、オッパイでイク!」
「綺麗だけど処女膜から声を出してるような顔のソニアちゃんが……オッパイだけで!?」
「処女っパイだけでイカせるなんて至難の業だけど……」
「あそこまでソニアを追い込んでるあの変態犯罪者なら、やれるんじゃないか?」
 まるで牛馬のように鼻息を荒くし、夜のネコみたいに目をギラギラさせる。
「このソニアはオレのもの。触らせはしないが、公開処刑なのだから見せてやる。この女が、悪の手によって惨めかつ淫靡に初絶頂する姿を、目に焼き付けるがいい!」
「わたしはあんたなんかのものじゃないわ! やめなさい! 悪人にオーガズムを教えられるなんて、最低じゃないの!」
 逃れようとするが、ナノマシンの支配は健在だった。
「無駄だ。不随意的な行為……快感で自然に仰け反ったり、身体がくねったりするのは許しているが、随意的な行い……自分の意志で身体を動かすのは許していない。貴様は、決して逃れられない。皆の前で無様に絶頂する運命なのだ!」
 親指と人指し指の先を添える。
 二本の爪先から第一関節までの範囲で乳首を、第一関節から第二関節の全体で乳輪を押さえつつ、今までにない極楽を感じさせるつもりで、じわじわと挟み込んでいく。
 すると。
「ぅ…………い、痛いっ……!」
 まるで獣みたいに彼女が叫ぶ。
「え?」
 目を丸くする悪の男子校生。
「痛いだと……?」
 思いもしなかった言葉に、思わず指先を緩めてしまう。
「そんな馬鹿なことが……」
 すぐにやり直す。
 今度はよりソフトに。アリでも摘まむ気持ちで挟む。
 だが。
「いっ、痛いっ……なにするのよ!」
 今まで色っぽくあえいでいたとは思えないほどの怒気で言ってくる。
 性感でトロンとしていた目は、悪と戦うときのようにつり上がっていた。
 アメシストの瞳は涙目だが。
「本当に痛がっているのか……?」
「当たり前よ!」
「ぬぅ……!」
 呻く悪漢。
(痛めつける気なんてなかったのに……)
 才色兼備のクラスメイトに憧れる男子校生の口調で思う。
(優しく摘まんでも痛がるということは、ソニアちゃんの先っぽは、敏感すぎるんだ……)
 痛みで思考が鮮明になったのだろう。
 もともと聡明な才媛は、こちらの戸惑いを察した。
「今まで調子に乗っていたのに無様ね。あなたの愛撫なんて、所詮はこの程度なの」
「ぬぐっ……!」
「わかる? へたくそってことなのよ?」
「ぐむむ……!」
「あなたが身の程を知ってショックを受けている間に、身体の自由を取り戻させてもらうわ。回復したら、女の子に最低の悪戯をした報いを受けさせてやるんだから……!」
 すっかり普段の口調に戻り、勝ち気に宣言する。
「……図に乗るな」
 悪漢は低くどう猛な声で言い返す。
「なによ」
「指で扱けないのは残念だが、それで万策尽きたわけではない」
「え……?」
(セックス知識を溜め込んだ、童貞男子校生を舐めるなよ……!)
 心の中で吼えて実行する。
(直接触るのがNGでも、刺激する方法はいくらでもあるんだ)
 伸ばしていた指を戻し、ずっしりと重い巨乳を鷲づかみし直す。
 今度は十指を強めに食い込ませた。
(こうやってしっかり掴んで……)
 乳房の根元からこね回す。
 こちらも先ほどよりも強めにして、スペンス乳腺をしっかり刺激する。
(そして、こう!)
 コスチュームの乳肌に埋もれさせている十指を、同時に動かす。
 モミモミ……モミモミ……。
 メロンみたいな豊胸を、ほぐす風に荒く揉みしだく。
「んっ……え……なに…………あン……!」
 気勢を上げていた正義のヒロインは、戸惑いながら甲高く喘ぐ。
「う、うそっ……さっきよりも……あっ……あぁン……!」
 言葉に反し、性感に喜ぶように身体がくねる。
 しっかり鷲づかみにされた上で、一定のリズムでゆっくり捏ねられて、荒く揉まれる豊胸を。
 正義のヒロインのコスチュームを纏う乙女の巨乳を。
 ブルンブルン揺らしてしまう。
「スペンス乳腺ってところもだけど…………先端が……あふ……んふぅぅ……にゅ、乳輪と乳首がすごく感じちゃう……!」
 杯を逆さにしたような有り様の頂は、先ほどよりも大きく高く勃起していた。
「熱くなって……ああ、ズキンズキンって疼いて……でも、気持ちよくて……どうしたというの……?」
 変身ヒロインのコスチュームを卑猥に浮き上がらせながら、いやいやと首を振る。
「教えてやろう」
 作戦が上手くいった者の得意顔で、悪の男子校生が解説。
「指を突き立ててオッパイを揉んでいるのがポイントなのだ」
「ど、どういうことよ……」
「直接触れられなければ、間接的に刺激してやればいい。たとえば、皮膚……オッパイの肌を指で引っ張るとかな」
「あ……」
 理解するヒロイン。
「だから揉むのね? はあ……はあ……揉まれる度に肌が引っ張られる。すると、その先にある乳輪と乳首も、同時に引っ張られる。あんたの指とは距離があるから、引っ張られる強さは弱くなる……あふ……んふぅ……普通の女の子なら弱すぎる刺激かも知れないけれど、敏感すぎるわたしのソコには、丁度よくなるのだわ……」
「その通りだ。流石は天才女子。飲み込みが早い」
 あえぎ声が高く艶めかしくなるリズムで責め立てながら、さらに説明。
「だが、先っぽだけではない。ちゃんと感じるスペンス乳腺も、同時進行で刺激している。性感で昂ぶった女体は、すればするほど貪欲かつ敏感になるが、それに合わせた力加減で愛撫している」
「そんなことをされたら……ああッ……!」
 弾かれたように顎が上がり、汗ばんだ金髪がふわりと浮いた。
「自分の身で体験しているな。つまり」
 筋骨隆々の悪の男に背後から抱きすくめられながら悶える正義のヒロインを、代弁。
「イキそうなほど感じてしまう」
 絶頂に続く階段を、確実に昇らせている処女ヒロインに、告白に宣言。
「もちろん、イカせる。戦いに敗れた貴様は、破ったオレの手で無様にエロく絶頂をキメるのだ。衆人環視の中で……映像が国内に配信される中で!」
「い、いやっ……!」
 これまでにない、切迫した金切り声で拒絶するヒロイン。
「必死な声だ。どうやら、どうしようもないと心のどこかで悟っているらしいな」
「そんなことない……はあ、はあ」
「精神論など意味はないぞ。これは極めて肉体的で、故に自然的な営みだが、同時に科学的な行為でもあるのだ。肉体の特性を把握し、相性のいいペッティングを行い、適切な刺激を与える。そうすれば、女はオーガズムを迎える。気合いで逃れられるものではない」
「わたしは諦めてないわ……あッ……はぁンンン……!」
「歯を食いしばるのは、性感に耐えるためか? 聞くだけで男を勃起させる媚薬みたいな声音を抑えるためか?」
 ヒロインの反応を見ながら、より早いリズムで、さらに荒々しく乳房を責める。
「あッ、ああッ、すごく激しくなってる、はあっ、あはぁン、もっと感じちゃう……!」
「しかしこの通り。オレがオッパイを揺すぶるだけで、あっけなく声が漏れる」
「う、うるさい、んああッ……だ、ダメ……気持ちいいのが止まらない……!」
「強情な態度をとっても、いやらしく勃起した先っぽが、正義のコスチュームごと嬉しそうにビクついているぞ」
 意識して乳輪と乳首を揺すり、なおかつ、衣装の裏生地と擦らせる。
「はああ……あああっ……あッ、あッ、あぁああ、……アアアッ……!」
 効果は抜群だった。
 裏生地の質感は知らないが、昂ぶった女体は何度も何度もくねる。
 抱きすくめる悪漢を振り払うような、甘美な刺激を欲しがって挑発しているような、そんな雰囲気で揺れ動く。
「なによ、この感じ……胸で渦巻くドロドロした気持ちよさが膨らみきって破裂するような……あッ、あンッ、まさかこれが、オーガズム? イクってことなの? ハア、ハア……!」
「絶頂を迎えて確かめるがいい、【機紅戦姫ソニア】!」
 胸だけで確実にイカせるつもりで愛撫継続。
 肝要なのは、好みのリズムで刺激し続けること。
 これを乱しては、今までの責めは無駄になるのだ。
 女に性行為をするのは初めてだが、溜め込んだ知識がそう示している。
 参考にしてやってきた愛撫がだいたい上手くいっているのだから、疑う余地はない。
「さぁ、イケ! 悪の手によって、オッパイオーガズムを知れ! 生まれて初めて女の悦びを教えてくれたのが誰か、刻みつけてやる!」
「そんな最低なこと、いやよっ……ああ、でも……ダメ……そんなにオッパイをいじめられたら……アアッ」
 正義のヒロインの声音が、さらに高くなった。
 普段の知的さも凛とした雰囲気も剥がれた、性感によがる女の声が撒き散らされる。
「オッパイでイっちゃう、あっ、ふぁああッ、嫌なのに、こんな奴にされてるのに……」
 強い意志を秘めた細い眉が、悩ましくハの字に垂れた。
 力のこもった吊り目の端も、艶めかしく落ちている。
 性感で曇ったアメシストの瞳からは法悦の涙が流れ、頬を伝う。
 悪の手により卑猥なデザインに変えられたとはいえ、今までその悪を颯爽と倒していた自身のシンボルを纏いながら――。
 正義のヒロインの姿をしながら――。
 戦っているときは一度もしたことのない――。
 それどころか、これまでの人生でしたことのない――。
 嫌がりながらも性感に蕩けた顔で、
「ああっ、はああ、ああぁあアアアア、お、オッパイくっしちゃう……!」
 断末魔の叫びよろしく、絶頂申告。
 ビクン! ビクビクビクビクビクビクビク!
 ほとんど同時に、絶頂痙攣。
 正義のヒロインとは思えない位に、あられもなく乱れた表情で。
 目の前の男達だけでなく、国中に痴態が配信されて、鑑賞されていることなど忘れたかのような、派手な全身くねりっぷりで。
 初めてのオーガズムを兼ねた、乳イキ。
「なにコレッ……! こんなのはじめて……! これが、イクということなの……!?」
 乳房から全身に向かって巡る悦楽に戸惑うような言葉を、アクメ声で発する。
 それに対して悪の男は。
 この美人女子校生が大好きな童貞男子校生は。
(よっしゃぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~!)
 大喜び。
 表では、完全に主導権を握っている悪の男らしくニヒルな笑みを浮かべる一方、
(【機紅戦姫ソニア】を……憧れのソニアちゃんをイカせたぞ!)
 心の中では、何度も何度もガッツポーズ。
(オレの言葉に釣られたんだろうけど、エロく乱れた綺麗な声と顔で『オッパイくっしちゃう!』なんて言ってくれたのは、最高のご褒美すぎる!)
 他の男にとっても、ツボにはまったらしい。
 祖父がばらまいたBOTが瞬時に編集、配信したらしい同シーンの動画が、そこかしこのケータイでリピート再生されていた。
 無残に破壊されたガラクタが散らばる荒涼とした会場内に、場違いにエロチックな声音が木霊する。
(誰も触れたことのない極上オッパイを楽しめただけでなく、そんなことを言っちゃうほど感じさせて、きっちりイカせたんだ……!)
 感無量。
(ソニアちゃんは、イッたときのセリフや声だけじゃなく、顔やカラダも可愛いし)
 誰が見ても達したとわかる蕩け顔と、感じすぎてパンパンに張り詰めた美巨乳、それに、満足そうに、物足りなそうにビクンビクン震えて腫れ上がっている先端を、目に焼き付ける心地で視姦する。
(ソニアちゃんとオッパイのセックス……オッパイセックスできて幸せ! けど……)
 気持ちを切り替える。
(もっといやらしいことができるんだ、オレは)
 恥をかかせ、刃向かう気持ちを叩き折る。
 そのための公開処刑をここで終わらせる理由がどこにあるのか。
(するのが使命なんだ)
 自分がすることを再認識。
(オレのテクニックの餌食にして、もっとエロい目にあわせていいんだ)
 次の段階に進むことにする。
(今度はやっぱり……オマンコだ!)
 標的決定。


◆ここから、2017年2月28日追加分◆


(オッパイセックスで、オレのチンポはフル勃起してる)
 生まれて初めて辱められたり、悪の手により女に生まれた幸せを味わわされたりした衝撃で、彼女は気付いていないようだが、悪の男子校生の分身は、古代人じみた腰巻きを押し上げていた。
 彼女の若くふくよかなお尻――自分が衣装を変形させたせいで丸出しになっている、大きくて温かいナマ尻タブの片側の中央に、深々と突き刺さっているのだ。
(もう我慢できない。オレのチンポだって、気持ちよくなりたいんだ!)
 すぐに自慰をして射精したい位に。
 ズキズキ痛くて堪らない位に。
 高嶺の花の美人クラスメイトへの滾る劣情で、牡の証を完全に勃起させた童貞が動く。
 トランクスでも脱ぐように腰巻きを脱衣。
 変身ヒロインへの劣情で硬くしこりきった牡のシンボルを、後ろから彼女の股間に通し、前方に突出させる。
 ピトォォォォォ!
 性欲旺盛な男子校生の分身は勢いよく反り返り、彼女の女の証に接触。
 ワレメに食い込む紐状のコスチュームに重なりつつ、大きくはみ出している乙女の柔肉口にグイグイ密着する。
「え……?」
 違和感に気付いた正義のヒロインが、その現場に目を向ける。
「な……なによコレ!?」
 絶頂の余韻が吹き飛ぶほどに叫ぶ。
 カラダの所有権を奪われていなかったら、飛び上がったであろうほどの驚きぶりだ。
「んっ……火が点いたように熱くて……鉄の棒みたいに重く硬い……それにビクンビクン震えて、わたしの大事なところをノックしてる…………!」
「オレのチンポだ」
「ち、チン……」
 見た目によらず意味を知っていたらしい。
 卑猥な俗称を口にしかけた彼女は、慌てて言い直した。
「コレがあなたのペ、ペニスですって! こ、コレが男性器……?」
 思わずまじまじと見てしまう。
「学術書に載っているものとぜんぜん違うじゃないの!」
「ほう」
「バナナみたいに長くて分厚くて……でも、石炭みたいに黒ずんでて……張り巡らされているように浮いてる青筋も太いわ……赤黒い亀頭のカサの広がりようはなんなの? まるで野生の椎茸じゃないの…………こんなのが人間の生殖器だなんて信じられない……世の中の女性はみんな、こんなのを自分の中に受け入れているの?」
 処女のヒロインは息を呑む。
「言っておくが、これは特別製だ。ここまでのものは、そうはない」
 悪漢が言うと、「確かに」とか「AV男優みてぇ」などという同意の声が、ギャラリーからチラホラ聞こえてきた。
「それに、ここまで勃起したのは、貴様のせいだぞ」
「なに言ってるのよ」
「正義のヒロインとは思えない位に卑猥なイキザマのせいで、ここまで硬く大きくなってしまったのだ。どうしてくれる」
「ど、どうしてくれるって……わたしはあなたのせいで、オッパイでイッちゃったんじゃないの!」
 真っ赤な顔で抗議してくる。
「そうだな。自覚している通り、貴様のオッパイはオレに屈した!」
「強調しないでよ!」
「このオマンコも、屈服させてやるぞ」
「なんですって……!」
 悪漢はペニスに力を込めて、ビタンビタンと秘部に打ち付ける。
「オレのチンポをこんなにした責任を取らせる意味も込め、このチンポで貴様の正義のヒロインマンコを屈服させてやる……!」
「屈服って……今度は、オマ……あ、アソコでイカせるってこと!?」
 またもや意味を理解していたらしい彼女は、卑語でなく無難な言い方をして瞠目。
「そんな生やさしいものではないぞ」
「……え?」
「たっぷり恥をかかせると言ったのだ。貴様の想像を絶する辱めを施す!」
「衆人環視でアソコでイカせることより、もっと酷いことをするつもりなの……?」
「そうだ。怖かろう!」
「まさか!」
 正義の乙女は挑むように言う。
「そんなことになんて絶対にならないわ!」
「ほほう」
「オッパイのときは、未知の体験だったからどうにもできなかったけど……もう二度と、性的なことに屈するものですか!」
「まだ心が折れていないとはな……流石は、オレを邪魔し続けた敵だと褒めてやろう」
 くわっと目を見開く悪漢。
「しかし、いくら気を吐いても無駄だ。先ほども言ったが、オレがする責めは精神論で抗えるものではない、極めて科学的なこと。正義の科学の力を思い知るがいい!」
「皆のための科学を、こんな風に最低に悪用しないでよ!」
 先端をいやらしく腫れ上がらせた巨乳と、悪のペニスが張り付く股間を強調している、両手を頭の後ろに回すガニ股ポーズのままで、正義のヒロインは啖呵を切る。
「何度でも言うが、オレの行動は地球の意志そのもの。つまりは正義なのだ」
 そんなことを言いながら、首を横にずらす。
「真上からだと巨乳が邪魔で見えないが、この角度ならよく見える」
 一旦、腰を引いてペニスを会陰の辺りまで下げた。
 再び、遮る物がなくなった股間を、刺すような強い視線で観る。
「何度観てもすごいな。処女のくせに、なんて卑猥なオマンコだ」
「観ないでよッ!」
 正義のヒロインは力一杯、身じろぎの仕草。
 しかし、未だに支配されているだけに、必死な形相の割には、カラダは動かない。
 せいぜい左右に数センチ。
 一度絶頂してパツンパツンに膨らんだ豊胸を扇情的に揺らし、見物する男達を喜ばせることしかできない。
 悪の男はあがく彼女に愉快そうな一瞥をくれると、目線を戻す。
「紐のように細く収縮したコスチュームが間に食い込んでいるせいもあるが、大陰唇がこんなにもこんもりしているのは、元々肉付きがよかったせいだな」
 唇がぽってりしている口が、猿ぐつわ代わりにタオルでも咥えさせられているかのような風情に魅入る。
「しかも、オッパイでイッた影響が出ている。ワレメに食い込むコスチュームが、恥ずかしい汁で染まりきって、辺りはべちゃべちゃだ。性感が高まると、女の陰唇は充血して膨らむものだが、その影響もあるのかも知れないな」
 ギャラリーから、「ソニアちゃんエロ可愛い!」だの「正義のヒロインのエロマンコ最高!」だのという呑気な声が投げかけられる。
「えッ……わたしのアソコって、そんなに酷いことになっていたの!」
 青ざめる正義のヒロイン。
 これが初めての性的な体験だからだろう。
 ペニスが密着していたときも、その太さで大部分を覆い隠していたせいで、よく見えなかったに違いない。
 慌てて自分の股間を見る。
 敵は巨乳を軽く鷲づかみ。よく確認できるように左右に開いてやる。
「う、うそ……ほんとうだわ……」
 大げさに言われたとでも思っていたのか、余計にショックを受けた風に呟く。
「見ろ、オレのチンポを」
 腰を前に出す。ふくよかで豊満な乙女尻に下腹部一杯で触れながら、一旦引いていたペニスを突き出す。
「さっき密着させたとき、貴様のいやらしい汁がへばりついた。糸を引いているぞ」
 腰の位置を調整して分身を水平にさせ、様子を見せる。
「そんな……!」
 悪漢の言うことは、またもや誇張ではなかった。
 陰唇にグイグイ押しつけられていたペニスの表側が、ニチャニチャした甘酸っぱい汁で照り光っている。段差の激しいカリ首も、太い血管が脈打つ竿も――まるで生えているように出ている部分のすべてが、猥褻な光沢を帯びているのだ。
「コレをこんなにする位、わたしのアソコから愛液が出ていたの……?」
「オレのテクニックが絶妙だったとはいえ、これは濡れすぎだな」
 なじるように言ってくる。
「正義の味方である【機紅戦姫ソニア】は、変態に陵辱されて悦ぶ変態だったらしい。お陰で、大恥をかかせる目的が達成させやすいのは助かる。しかし、快楽で苦しめるつもりだというのに、これではご褒美でしかないのかもしれんなァ」
 自分が言われたことを絡めて、言葉責めしてくる。
「ち、違う……わたしはあんたみたいな変態じゃないわっ、一緒にしないで!」
「あぁ、そうだな。オレに勝るド変態というべきだった。ただの変態扱いは失礼か」
「そういう意味じゃないわよ!」
「どうかな? カラダに訊ねさせてもらうぞ」
 腰の位置をずらす。
 既に愛液で濡れているペニスの表側を再度陰裂に密着させた。
「うっ……やっぱり熱くて硬い……」
 悪漢は下腹に力を込めている。
 勃起肉棒が自然に反り返る力を倍増させて、グイグイ陰唇を押していた。
「まるでショーツみたいに強く密着してるから、嫌でも存在感を感じさせられるわ……こんな色も形もグロテスクなものが触れてるなんて気持ち悪いはずなのに……どうして? 胸がドキドキする……」
 カラダの反応に戸惑う正義のヒロイン。
 敵のガチガチペニスが接触しているだけで、心臓が早鐘を打つ。
 だがそれは、決して不快ではない。
 乳房の隅々を揺すぶられて絶頂しかけていたときにも感じた、甘い昂揚感を含んでいて、なんとも悩ましい。
「正義のヒロインマンコが、いやらしく熱くなってきたな」
「な、なにを言ってるのよッ」
「ド変態好みの敵チンポを押しつけられて、淫らな期待に沸き立ってるらしい」
「そんなことあるわけないでしょ!」
 言われたような雰囲気が胸に満ちているだけに焦り、反論は金切り声になってしまう。
「さァて」
 馬鹿にするような、はぐらかすような曖昧なことを言って、悪漢が動く。
 微細に膝を屈伸させ、腰を細かく揺らす。
「んっ……なによコレ…………んふ……」
 大事な部分に力強く密着している勃起ペニスが、陰唇全体と擦れる。
 まるで車のワイパーみたいに左右に。
 引っ掻くように上下に。
 ワレメに食い込むコスチュームに亀頭の尖りを這わせながら、その熱く硬い側面で陰唇の内側を丁寧にほじりもする。
 熱い肉棒は何度もしつこく、誰も触れたことのない乙女の肉畝の隅々を、徹底的に研磨してきた。
「あっ……ああっ……んくっ……んあぁあ……」
 肉唇がペニスに引っかかれる度に、妖しい甘美が秘部に湧く。
 それは快感電気となって全身を駆け、頭をぼうっとさせた。
(胸にいやらしいことをされていたときよりも感じちゃう……!)
 無抵抗に五分もされていると、息が乱れ始めた。
 下唇を噛んで声が漏れないようにしても、艶めかしい鼻息が出ていく。
 それどころか、耐えようとしても性感のせいで、ときどき顎から力が抜けた。
「あっ……あぁ……はああぁぁあ」
 溜め込んだいやらしい乙女声が、官能的な吐息と共に溢れてしまう。
(まだ始まったばかりなのに、こんなにも昂ぶってしまうだなんて……)
 自分のカラダの反応に困惑していると、悪漢がせせら笑った。
「女のカラダは、一度イクと感じやすく、かつ貪欲になるもの。貴様も例外ではないらしいな」
 淫らな本性を目覚めさせる風に、秘所をじっくりペニス愛撫しながら言ってくる。
「とはいえ、ちょっと責めただけで、再びこんなにスケベ汁を出すとは」
 愛液を意味する卑語混じりに指摘。
 状況と言い方から、処女の知らない言葉の意味を察した正義のヒロインは、ハッとした。
「ま、まさか……!」
 心臓が凍りそうな気持ちで見ると、またもや本当だった。
 ペニスに擦られる陰唇は、まるで失禁した後みたい。
 嗅ぐだけで耳たぶまで熱くなるほど恥ずかしい愛液の匂いが、周囲に立ちこめている。
 その上、溢れたばかりの新鮮で熱い蜜は、敵の黒々とした熱勃起にたっぷり絡みつき、しかも泡立っていた。
「う、うそ……わたしのアソコが……こんなことになってるなんて……」
「正義のヒロインマンコは、敵の汚いチンポが大好物らしいな」
「ふ、ふざけないで! そそそ、そ、そんなこと、あるわけないでしょッ」
 あまりの有り様に動揺し、震える声で怒鳴る。
「そうかな? ならば、もっと深く貴様のカラダ……いや、マンコに訊ねさせてもらおう」
 腰の位置を調整してペニスを横にずらすなり、ウエストの横側経由で片手を前に回す。
 ワレメに食い込むコスチュームに小指をかけた。長く引っ張って横にずらす。
「あン……!」
 甲高くあえぐ変身ヒロイン。
(アソコが涼しくなってる……それに、すごく切なくなって……疼いてるみたい)
 自然に腰が物欲しそうにくねる。
「コスチュームの圧迫がなくなって寂しそうだな。しかし」
 腰を少し引いて、軽く突き出す。
 濡れて滑る大陰唇の内側を巻き込み、カリ首で裏側の小陰唇を引きずりつつ、グチョ濡れの膣口に亀頭の先を浅く刺す。
「すぐに満たしてやる。貴様が変態と呼んだ、オレの敵チンポでな」
 絶句する正義のヒロイン。
 蕩けかけていた顔は一変した。恐怖と嫌悪で目が見開かれている。
「わ、わたしの処女を奪う気なの……! そうやって、負けた恥を強調するつもり……!?」
「やはり処女か」
 ニヤリと笑って。
「処女を奪い、マンコでイかせる……マンイキさせるが、そんな生やさしいことではない。さっきも言ったがな」
 ズブリ。
 悪漢は力を込めて挿入。
「いやっ……!」
 心とカラダを縮ませる正義のヒロイン。
 しかし、破瓜の傷みはやってこない。
「どういうこと……?」
 おぞましくて妖しい敵のペニスの存在感は、確かにある。
 しかし、意識を巡らせると、それが居座っているのは入り口だけだとわかった。
 恐る恐る目を向ける。
「先っぽだけが入ってる……」
 大きく広がったカリだけがはみ出して、溢れた愛液でヌラヌラと光っていた。
「そうだ」
 悪漢がふてぶてしく言う。
「折角の処女だ。簡単に奪いはしない。まずは、このGスポットで恥をかかせる」
 意識させる風に腰を小幅に二三度振り、その場所を突き刺して圧迫。
「ンン……ッ!」
 ただそれだけの仕草に、ヒロインの歯の根が浮く。
(なんなの今のは……)
 刺激された瞬間、これまで感じたことのない性感が湧いた。
 胸で絶頂させられたときほど大きくはないが、質が違う。
 子宮の奥まで響くほどの圧倒的な悦楽の気配を孕んでいるのだ。
(本格的に犯されたら、一体どれほどの快楽を味わわされるの……?)
 恐れ混じりに緊張する。
 そんなことになれば、バストのとき以上の痴態を、目の前の男性陣や全国に見せてしまうのではないだろうか。
「オレが標的にしているのは、Gスポットだ」
「じーすぽっと……?」
「女が特に性感を享受できる部分のひとつだ。膣の入り口から数センチ腹側にある。位置や有無に個人差はあるが、ザラザラした手触りをしているから、触れればすぐにわかる」
 またもや腰振り。
 性感帯として目覚めさせるような圧迫感に、またもやヒロインはあンと鳴いてしまう。
「はぁ……はぁ……ぬ、抜きなさいよっ……」
 顔やコスチュームから露出する肌を赤面させ、細かい汗で艶やかに汗ばませている――誰が見ても深い性感を得ているとわかる様子で、気丈に言い放つ。
「どうやら理解しているようだな。このままでは、マズイと」
「う、うるさいっ……その汚いペニスを、わたしから抜きなさい……!」
「自分で逃げればいい」
「くぅ……!」
 髪のほつれた色っぽい顔で、まなじりをつり上げる。
 身体の自由は奪われたまま。
 性感で心を乱されている上に、先端だけとはいえ、敵にペニスを挿入されて悦楽混じりの汚辱感と敗北感を味わわされているのでは、主導権を奪い返せるように気合いを高めることなど、とても無理。
「もっとも、貴様の性格を考えれば、自分でどうにかできるなら、とっくにしているだろうがな」
 これまで敗北者側だった男が勝ち誇った笑みを浮かべる。
「ほら、遠慮せずに逃げろ」
 ゆるゆると腰を振って急所をピンポイントで責めながら揶揄。
「あぅッ……!」
 卑猥で屈辱のガニ股ポーズで固まっているヒロインは、なすすべない。
 敵の思うままに、今まで触れたこともなかった女の弱点を刺激される。
「はやくしないと、取り返しのつかない大恥をかくことになるぞ?」
「あぁッ……あッ……はあああ……ああァァァ……はあっ、くぅぅぅ……!」
 崖っぷちの変身ヒロインは、悦楽の丈をたっぷり含んだあえぎ声を上げながら、いやいやと首を振り、湿って纏まった金髪を振り乱す。
(ダメ……恥ずかしい声がどうしても出ちゃう……!)
 せめて声を抑えようとしても、突かれる度に顎から力が抜け、今ではぜんぜん下唇を噛めない。
 漏れ放題の嬌声は、胸で絶頂したときに勝るとも劣らない艶やかな声。
 聞いているだけで犯されて悦んでしまっている現実を思い知らされ、おかしくなってしまいそうだった。
(でも一番怖いのは、膣に生まれる性感だわ……なんなのよ、コレは……)
 子宮まで響いて、あるいは子宮から響いてくるような濃厚な快楽は、予想以上に危険だった。
 とにかく、甘い。
 しかも、いつまでも、何度でも味わいたいと思える中毒性を孕んでいる。
(こんなのを味わわされ続けたら、おかしくなっちゃいそう……!)
 危機感に駆られるが、身体が言うことを聞かないのでは、どうしようもない。
(なんとかしないと……でなきゃ、堕ちちゃうっ)
 正義のヒロインは、焦燥と快楽の気配を放ちながら悶える。
 一方、元凶である悪の男子校生は歓喜していた。
「くくく……それにしても、変態ヒロインのマンコの具合はいやらしいな」
 ふてぶてしい顔でうそぶく。
 しかし、心の中ではどうしようもない位の多幸感に悶えていた。
(オレは今、ソニアちゃんのオマンコに、チンポを突っ込んでる!)
 無垢であった器官に、性感帯の自覚を――。
 自分が牡に責められて悦ぶ牝であるという事実を自覚させるように――。
 ゆっくりと。
 じっくりと。
 亀頭を使って刺激しながら、悦びに打ち震える。
(クラスの人気者の美人……正義のヒロインなんかする勇ましい女子校生……本来、オレなんか手も繋げない高嶺の花の大事な部分に、チンポをぶちこんでる!)
 思春期のものとは思えないほど赤黒く、百戦錬磨の性の達人みたいな気配を放つ牡の器官は、嬉しさで硬く膨れあがっていた。
(しかも、なんだよこの気持ちよさはっ)
 初めて挿入した女壺の感触が、ペニスの興奮を倍増させていた。
(ソニアちゃんのマンコ肉、あったかくて、吸い付いてきて、すっげぇ気持ちいい!)
 次々と伝ってくる愛液にまみれた肉竿も、今にも破裂しそうな位に大きくなっている。
(膣口が小陰唇と大陰唇と一緒になって締め付けてくるのもいいけど、Gスポットのザラザラした感触はどうだよ。憧れのソニアちゃんの急所をぐりぐり抉ってる感を、とてつもなく感じる……この子とセックスしてるって実感を強く感じる……最高だぜ)
 感激しつつ、亀頭のてっぺん――鈍く尖る穂先で、Gスポットをグイ、グイと間隔を空けて押し込む。
「あぁぁッ! あっ……んぅ」
 亀頭の先端で刺激する力を、三回のうち一回は強めに、残り二回は軽くという風に、強弱を付ける。
「ンああッ! ……あふぅ……あっ……んふ……あぁあああッ! あっ……くぅ……んふっ……ンあぁああ!」
 すると憧れの女子校生は、従順に反応してくれた。
 強めに押すと高い声で、弱めに押すと鼻にかかった低めの声で、官能的に鳴いてくれる。
(うはぁ! オレのチンポのリズムに合わせてエロくあえいでくれるッ)
 表面上は、正義のヒロインを追い詰める悪の男らしい顔――ニヒルに微笑しながら、的確に責め立てる冷酷な面差しをする一方、心の中では露骨に悦びに打ち震えながら、女の急所を責め立てる。
「あッ、だ、ダメ……ま、またキてる……ッ」
 絶望とも喜悦ともつかない掠れた声で、正義のヒロイン。
「敵のチンポの先でGスポットを突かれて、イキそうなのだな?」
「ッ……!」
 指摘されると悔しそうに歯がみ。
 そんな遠回しの肯定のサインも一瞬だった。
 お腹の底から湧いてくる濃厚な快楽のせいで、これまでのようにあえいでしまう。
「そんな反応をされなくてもわかるがな。なにせ、マンコは正直だ」
 上半分が露出していて、伝ってきた愛液と噴き出る汗でグチョグチョしてきた太ももを鷲づかみにした。
 そうしてしっかりバランスを取り、三回に二回を強く、残り一回を弱めに、というやり方に切り替えて、ヒロインの急所をさらに追い込む。
「オレのチンポに責められるのに大いに悦び、強く締め付けてくる。吸い付きも強くなっているし、愛液の量も増えているが、なにより、堪らなそうにときどき痙攣し始めた。どれも、女がイクときの前兆だな」
「ぅ……!」
「処女で、セックスに興味なさそうな顔をしてるからわからんだろうが、これは事実。じきに証明される。それに」
「な、なによ……」
「Gスポットでイク場合、潮を噴く確率が高い」
「し、潮ですって……?」
「そうだ。クジラが潮を噴くみたいに、マンコから潮を噴くのだ」
「嘘よ……人間がそんなことをするはずない…………あ……でも……」
 いつも強気なヒロインが、弱気な声を出す。
「わたしが感じてるこの性感は、ただイクというのじゃないわ……アレを我慢してるときみたいな感じも含んでる……」
「アレとは、排尿のことだな」
「バカ! 女の子になんてこと言うの! デリカシーのない!」
「そんなことを気にするよりも、自分が辿る運命を気にするんだな」
「っ……!」
「貴様はこれから、失禁するように潮を噴く」
 冷たく言い放つ。
 確率が高いとは言っても確実とは言わなかったというのに、今度は断言。
 どさくさ紛れだとしても、思い込ませた方がカラダはその気になり、実現する確率は格段に上がるのだ。
「むろん、それはオーガズムと同時に行われる。つまり、無様で卑猥なイキ顔をさらしながら、みっともなく潮をぶっ放すというわけだ」
「そ、そんなのいやよ……!」
 悪漢の言葉は強く、有無を言わせぬ説得力を孕んでいた。
 拒絶する気持ちもあるのだが、自分が本当にそうなると思う心理の方が勝ってしまう。
「敵に犯されてよがる姿も無残だが、もっとむごたらしい恥をかくというわけだ」
「最初に言っていたことはそういうことだったのねッ」
「そうだ」
「確かに、子作りするみたいに犯されて、アソコでイカされるよりも惨めすぎる……!」
 敵のペースにはめられている正義のヒロインの瞳から、強い意志の光が消えていく。
 悪の男子校生はそれを見て。
(うは! ソニアちゃんが諦めかけてるぞ!)
 嗜虐心で肉棒が滾る。
(身体の自由を奪い返せないし、オレのチンポには勝てないと、心の底から思うようになってる……!)
 憧れの女子を下品に屈服させている実感で、興奮が高まる。
 Gスポットを突く亀頭だけではない。痺れを伴う性感は竿にも漲っていた。
 漏れ始めた先走り汁は乙女の浅瀬に染みこみ、その匂いとヌメリをつけている。
(このまま責め抜いてやる!)
 喜び勇んで腰を振る。
 一突き一突きを強めにし、今まで上手くいっていた――だからこそ、彼女が大好きなリズムで刺激。
「いやぁ、あっ、あぁあっ、そこだけ突いたらダメぇ!」
 正義のヒロインは、これまでにない大声で弱音を吐く。
「イクのいやっ……潮を噴くなんて、イヤなのォ……!」
 鼻にかかった幼げな声で。
 頭をジンと痺れさせる官能的な声で。
 聞くだけで射精しそうになるエロ声で。
「いやなのに、イクぅ……!」
 性的な意味での敗北宣言。
「Gスポットを責められて、潮噴いちゃう……!」
 眉目がハの字に緩んだ蕩け顔で、淫靡な敗残の予告。
「イクがいいソニア! オレのチンポに負ける様を、目の前の奴らや全国に見せてやれ!」
 叫んで、
(イケイケ、ソニアちゃん! オレのチンポでイッて潮を噴け!)
 心で念じる。
「イヤ~~~~~~~~~~!」
 戦うヒロインとは思えないほど無様に、汗で湿った金髪を振り乱して絶叫。
 次の瞬間、ザラザラした泣き所に、先走り汁と愛液でぬるつく亀頭がめり込む。
 悪漢男子校生の性器の熱と硬さと脈動をなすりつけられながら、絶頂。
「ああぁあああぁあアアアア~~~~~~!」
 オーガズムの快楽に、首をさらすほど顎が跳ね上った。
 舌は伸びきって涎が飛び散る。
 同時に。
 ブシャァァァァァァァ!
「アアアアア~~~~~~~~~~~!」
 尿道口から透明な液体が迸った。
 放尿というよりも、文字通りクジラの潮噴きの風情で、放出の勢いは凄まじい。
「すげぇ! 【機紅戦姫ソニア】が、敵チンポにイカされて潮噴いてる!」
 間近で見ている男達が歓声を上げる。
「見ろよあのイキ顔! さっきの乳イキのときよりもエロいぞ!」
「ばっかお前、潮噴きしてるのが最高だろうが!」
「敗北ヒロインが潮噴き絶頂とか、二次元かよ!」
 手持ちのケータイで一心不乱に写真を撮る。
「おほっ、この動画配信サイト! 決定的瞬間を絶妙なアングルから撮ってるぞ!」
「カットインでイキ顔もちゃんと表示させてて、神職人だな!」
 あるいは、欲望で血走った目をケータイに注ぎ、ネット上のライブ配信に魅入っている。
「や、やめて……みないでぇ…………」
 天井を向いたままで、悦びと絶望の涙を流しながら、正義のヒロイン。
「いいザマだな、【機紅戦姫ソニア】」
 Gスポットに勃起を突き刺し、亀頭で絶頂の膣痙攣を味わう悪の男子校生。
(よっしゃぁ~~~!)
 心の中では、胸だけで果てさせたときのようにガッツポーズ。
(憧れのソニアちゃんをGスポットでイカせて、しかも潮を噴かせたぞ!)
 肉棒をますます滾らせつつ、
(しかもソニアちゃん。かなり大人しくなってる。もう、なすがままって感じだ)
 正義のヒロインは悪態をつくでもなく、オーガズムの快楽にわなないている。
 まるで人形みたいに無抵抗だ。
(このまま、堕とせるところまで堕としてやる……)
 決意。
 それを告げる。
「まだまだ終わりではないぞ、ソニア」
「うぅ……まだ続くの……?」


◆ここから、2017年3月10日追加分◆


「次で終わりだ」
 正義のヒロインだけでなく、目視、あるいはモニター越しに見ている者達全員に宣言するつもりで、傲然と告げる。
「正義の味方気取りの貴様にとって、これ以上ない大恥をかかせる」
「オッパイでイカされたり……Gスポットでオーガズムを迎えさせられながら潮を吹いちゃうよりもすごいことを……わたしにするつもりなの……?」
「そうだ」
 変身ヒロインと観衆の男達が、緊迫感たっぷりに喉を鳴らす。
(いったいどうするつもりなの……?)
 これまでの流れを考えれば、性的なことをしかけてくるに違いない。
 しかし、処女の自分にはまるで見当が付かない。
(わからない……でもきっと、本当に最低なことをされるのだわ……)
 悪漢は有言実行で自分を辱めている。
 ハッタリの類いとはとても思えない。
(それに多分……今まで以上の快楽を味わわされるのよ……)
 二度も絶頂させられた乙女は確信する。
 一度目よりも二度目の方が強烈だった。
 ならば三度目では、どれほど濃厚な体験をさせられるのか。
 この悪の男は、どれ位の性の悦びを味わわせてくれるのだろう。
 ジュン。
 と、敵の憎らしいペニスが居座る秘部から、熱い果汁が湧いた。
(いやだ、わたしったら)
 女の証の反応に戸惑ってしまう。
(アソコが熱くなってる……広げられている入り口に嫉妬するみたいに、奥の方が疼くし……もしかして、期待しているの? こいつに辱められて、気持ちよくなりたいって望んでいる?)
 思い至って、ぶんぶん頭を振る。
(そんなわけないわ! わたしは、そんな変態じゃない……自分に都合の悪い科学を否定したり、女の子にこんな仕打ちをする奴なんか、大嫌いよ!)
 心の中で叫ぶ。
 だが。
(うぅ……なんだっていうのよぉ……カラダのいやらしい熱がぜんぜん引かない……)
 カラダが意志を無視する。
 淫らな火照りも疼きも増す一方。
 限界まで勃起し、物欲しそうに震える乳首などは、痛いくらいだ。
 潮噴きの際に濡れたクリトリスも、包皮を目一杯広げながら、切なく脈打ってる。
(カラダが自由なら触りたい……刺激できたら、どんなに気持ちいいのかしら……一度もやったことはないけれど、コイツがしたみたいにやればいいのよね)
 正常な意識を保とうとするヒロインだが、悪によって肉悦を教えられたカラダに、静かに引っ張られていた。
 気合いを入れても、いつの間にかふしだらな妄想をしてしまう。
「ふむ」
 悩ましげに眉根を寄せてはしたない衝動に駆られている乙女を、悪漢はじっと見ていた。
「性の悦びに馴染んできたようだな、【機紅戦姫ソニア】。公開処刑……いや、オレとの公開セックスは、そんなにいいか?」
 嫌みったらしい悪の言葉に、正義の乙女がハッとする。
「そ、そんなわけないでしょ! さっさとわたしを解放しなさいよね! でないと、後悔することになるんだから!」
 図星を突かれた者特有の、余裕のない上擦った声で叫ぶ。
「その威勢、どこまで続くかな?」
 悪漢は日焼けしてゴツゴツした両方の手で、彼女のウエストをしっかり掴む。
「これから、処女をいただく」
「なんですって!」
 我が物顔で浅瀬を占領していた亀頭が動く。
 膣の正中線に沿ってじりじり進み、窄まって壁みたいになっている部分に触れた。
「熱くてたっぷり濡れていて、正義のヒロインマンコはいい具合だぜ」
 初めてを奪われかけている現実を思い知らせるみたいに、熱く猛る亀頭の先で処女膜をごくごく軽くノックしてくる。
「だいぶ、女……いや、牝の自覚をもったようだな。そうしたのが誰なのか、処女膜をいただいて、完全に忘れられなくしてやる」
 逃がさないとばかりにウエストを握りながら、力と欲望が漲る腰をミリ単位で突き出す。
 自然、ペニスが進む。
 ミシミシという、今にも破られそうな処女膜の軋む音がヒロインの脳裏に木霊する。
「や、やめなさいよっ! 女の子の初めてなのよ? 愛する男性にだけ捧げるべき、神聖なものなのよ? あんたなんかが触れたり……ましてや、破っていいものじゃないわ!」
 逃れたくて、必死に身をよじる。
 だが、無駄だった。
 悪のナノマシンの呪縛は健在。脳は悪漢のいいように操られ、ガニ股開脚ポーズを強制される。
 身をよじるといっても、数センチほど左右にカラダを振れる程度なのだ。
「もっともな話だな」
「え?」
 意外なことに、悪漢が同意。
「じゃ、じゃぁ……」
「だからこそ、する」
「な、なんですって……!」
「ククク」
 悪は満足そうな含み笑い。
「オレは貴様が悪と呼ぶ存在。そのオレに哀願するなど、正義のヒロインとしては大恥だとは思わんか?」
「あ、あんたは……」
「また、正義のヒロインが衆人環視で処女を奪われるなど、これも大恥だ。言うなれば、恥の上塗り」
「どこまで最低なの!」
「大恥をかかせることが目的のオレが、こんな機会を逃すわけがない。悦び勇んでチンポを滾らせ、貴様の処女を奪う! 貴様の初めての男になるのだ!」
 悪のドス黒い剛直は、今までにないほど硬く勃起する。
 青臭くて汚らわしい先走り汁を、乙女のピンク色の処女膜に擦りつけながら、一気に通り過ぎる。
 ズブリィィィィィィ!
「アアアァァァ~~~~~~~~~~~!」
 破瓜の痛みに絶叫する正義のヒロイン。
 股間から溢れた鮮血が太ももを伝い、生臭い鉄の匂いが周囲に振り撒かれる。
(や、破られたんだわ…………わたしの処女膜……)
 カラダが真っ二つに裂けた気がするほどの痛苦の中で、涙。
(こんな奴に……わたしの初めてが……)
 衆人環視での乳房責めに、潮噴き絶頂。
 普通の女の子なら絶対にされないような辱めを受けていたが、だからといって、敵に処女を奪われて平気でいられるわけがない。
「ゆ、許さないんだから……絶対に後悔させてやるっ」
 怒りの形相で歯を食いしばり、首を巡らせる。
 限界までしても横目で見える程度だったが、それでも敵の男を睨み付けた。
「どうかな」
 腰をさらに突き出す。
 破瓜の痛みに紛れながら、一番奥のコリコリした部分――子宮口に亀頭を押しつける。
「そのふざけた変態顔を泣き顔に変えて、土下座で謝らせてやるんだから!」
「フン」
 せせら笑う。
「そうして復讐に燃えるほど、最後の瞬間に貴様がかく最大の恥は際立つ」
「逆転されて大恥をかくのはあんたの方よ! わたしは絶対に負けない!」
 正義のヒロインは気合いを入れる。
 破瓜の痛みはまだ引かず、奥まで入れられた悪のペニスの異物感はおぞましい。
 胸にこみ上げてきて停滞している不快な圧迫感といい、気を抜くと吐いてしまいそう。
 しかし、だからこそよかった。
 カラダだけでなく心まで蕩けてしまう性感の中では無理だが、痛苦の中でなら反骨心を燃え上がらせて、気合いを高めることができる。
 そうして意志の力を増大させれば、きっと肉体の主導権を奪い返せるはずなのだ。
(コイツは調子に乗って墓穴を掘ったのよ。処女を奪って苦しめたからこそ負けることを、思い知らせてやるわ!)
 頭の後ろで組まされている手が拳を作り、強い決意でわなわな震える。
「ここまでされても弱音を吐かず、それどころか逆に強気に出るとは流石だな」
「あんたに褒められても嬉しくないわよ」
「そうか。しかし、オレは褒めるぞ」
「え?」
 悪漢は満足そうないやらしい笑みを浮かべる。
「チンポを奥まで入れてみたらよくわかった」
「なんのことよ」
「貴様の正義のヒロインマンコは最高だ」
「ッ!?」
 目を剥くヒロイン。
「あ、あんた! こんなときになにを言ってるのよ!」
「貴様とは争う関係で、その点では気にくわないことこの上ないが、カラダの具合はすこぶるいい。その最たるものが、オレの敵チンポをぶちこんでる脱処女したてマンコだ」
 悪漢は声高に続ける。
「認めたくないが、オレを相手に見事に戦える変身ヒロインだけに……言い換えれば、よく鍛えられた身体なだけに、マンコはキツキツ。若くて非処女になったばかりということを差し引いても、抜群だな」
「ちょっと!」
「オッパイにGスポット。それぞれで都合二回イッているから、中はグチョ濡れ。膣の媚肉はまだ硬い感じだが、ヒダが満ちた粘膜はチンポの隅々に触れてくる。火が点いたように熱いのがまたいい。おまけにすこぶる締まりがいいから、気を抜くと射精しそうな位だ」
「そんなこと言わないでよ!」
 自分の膣の具合など、愛する男性にだけ知っていてもらえばいいもの。
 だというのに、仇敵に知られただけでなく、大勢に知られるなんて。
「うひょ~! ソニアちゃんのオマンコは、そんなにいいものなのかよ!」
「畜生! ソニアちゃんとオマンコできるなら、俺も悪の男になりてぇぜ」
 男達が野卑に騒ぐ。
 今にも飛びかかりそうな気配を放ちながら、ギラギラした目で秘部を見てくる。
 しかし、この状況がネット上でライブ中継されているのを考えれば、この何百、何千、何万倍といういやらしい男達に鑑賞されていてもおかしくないのだ。
「考えただけでもゾッとする……あんたねぇ、今度という今度は絶対許さないんだから!」
 強気な乙女の強烈な怒気を軽く受け流して悪漢が動く。
 腰を掴んでいた両手が、変身ヒロインのコスチュームを纏う豊胸に伸びる。
「処女喪失したてなのにこれほどの威勢だ。チンポとマンコを馴染ませるには、思った以上の時間が必要かもな」
「またわたしの胸に……触らないで!」
「いいや、触るね」
「くっ……この超変態っ……最低スケベ!」
 ますます目尻をつり上げながら、唾を飛ばして怒鳴る。
(ソフィアちゃん、本気で怒って嫌がってる)
 悪の男子校生は胸中で呟く。
(こんなソフィアちゃんも、すごく可愛い!)
 優勢の敵らしく振る舞う一方、心の中で歓声を上げる。
(今は見えてる他の人達も、目を逸らせばすぐに忘れる。けど、オレは違う。オレに向けた悪感情で一杯のこの表情を、鮮明に記憶できる。こんな顔、この子が普通の学生でいるときには絶対にしない。だから、この可愛い顔はオレだけのものなんだ!)
 両方の乳房を、そっと鷲づかみ。
(もっと可愛い顔にしてやる。無様だけどエロい正義のヒロインの顔を、すべてオレのものにしてやる)
 少しずつ力を込めていく。
(顔だけじゃない。このカラダも、心も、ぜんぶ奪う!)
 思い切り十指を食い込ませる。
「な、なに? わたしの胸を、さっきよりもずっと強く掴んでる……それにこの感じ……今までよりも強い欲望を感じる……」
 様子が変わったのを察して戸惑う。
「また、オッパイで悦ばせてやろう」
 左右を同時に捏ね始めた。
もちろん、乳房の脇の下側の付け根――スペンス乳腺を意識して刺激しながら、ゆっくり肉を揺すぶる。
「これって……」
 眉間に皺を刻むヒロイン。
「じわじわ気持ちよくなってきただろう」
 手応えを感じて続ける悪漢。
「そんな……ぁ……あぁっ……」
 乳房に起こって広がる性感に、胸元が小さく震える。
「ダメ……声が出ちゃう……んんっ……エッチな声、出ちゃう……はぁああ……!」
 痛みや苦しみにならず、それでいて確実に乳悦を味わわされる絶妙な力加減。
 気を張っても気付くとうっとりしてしまうリズム。
 女をふしだらに泣かせる手管には耐えられず、官能的な声を上げてしまう。
「はあっ……ぁああ……ンッ……こんなことって……ぁああっ」
「先っぽもしっかり刺激してやる」
 掴みながら捏ねる強さもリズムもそのままに、十指が動き出す。
 まるでピアノを弾くみたいに、コスチュームをパンパンに膨らませている乳果実に浅く深く指が食い込み、しかも微細に揺れる。
「ひぁぁぁっ! ま、また乳首も乳輪も気持ちよくなっちゃってる」
 鋭敏すぎるせいで、少し触れただけでも痛苦になってしまう豊胸の先にも、性感が湧く。
 衣装の下で蒸れた乳肌を引っ張られ、同時にいやらしく揺すぶられる。
「ああっ、い、いやァ……胸を……オッパイをそんなに揉まないでよォ……あああ、わ、わたしまた……オッパイで感じさせられてる……ゥ」
 間接的な快感責めに、乙女の突起は大喜び。
 今まで以上に硬くしこってビクビク振動。コスチュームの先っぽを膨らませ、敵の手にかかって正義のヒロインが悦んでいる現実をまざまざと周囲に見せつける。
「女のカラダはイケばイクほど、貪欲かつ淫乱になる。貴様も例外ではないのだ」
「うぐっ……だ、誰が淫乱よ……!」
 正義のヒロインは気丈に睨み付ける。
「そんな顔をしても無駄だ。貴様は確実に、牝の本能を開花させている。初回よりも盛大に感じて、エロくよがってるのがなによりの証拠」
「うっ……」
「オレの言うことは嘘や誇張ではないのだから、ぐうの音も出まい。ついでに言えば、破瓜の痛みもそろそろなくなっているだろう?」
「ぁ……」
 言われてハッとするヒロイン。
「まだジンジンするけど……処女を奪われたときに比べたら、ずっとラクになってる」
「オッパイの快楽が中和しているというところだ。もっとも、一度たっぷり可愛がっていたからこそ、二回目の乳責めがここまで効果的だった」
「! あなた……そこまで計算していたの……?」
「当然」
 悪漢が断言。
「何から何まで計算している。貴様に最高の恥をかかせてやるという答えに至るまでの式は、とっくの昔に頭の中で完成済みだ。逃れられはしないぞ!」
「そんな……」
 今まで彼の有言実行の餌食にされてきたヒロインが、弱々しく呻く。
(うはぁ! ソフィアちゃんが諦めた顔してるよ! もしかして、心が折れたのか?)
 心の中で歓喜する悪の男子校生。
(しかし、上手く事が進んでいてよかった。知識はあるけど、オレは童貞だったもんな)
 責める手を緩めずに正義のヒロインをよがらせながら、胸中で呟く。
(まぁ、結果オーライだ。このままソフィアちゃんを……いや、皆大好きな正義の変身ヒロインアイドルの【機紅戦姫ソニア】を、オレの虜にしてやるぞ!)
 ゆっくり腰を引く。
「ぁっ……今度はなによ……」
「そろそろ、オレのチンポと貴様のマンコが馴染んできた」
「な、馴染んできた……ですって?」
「オッパイだけ気持ちよくしてずるいと言わんばかりに、貴様の牝の証が締めてくるぞ。スケベな果汁をたっぷり吐き出し、熱く火照り、キュウキュウ抱きついて、ザーメンが欲しそうに奥に引っ張る」
「う、嘘よ……!」
 恐れるような上擦った声を出すヒロイン。
「わたし、無理矢理犯されてるのよ? あんたは、大嫌いな敵なのよ? なのに、そんなことになってるなんて……!」
「オッパイもマンコも……貴様のカラダは既に、快楽を与えてくれるこのオレに屈服しているのだ。その常識的な心も、オレに与えられるスケベな悦びを第一に考えるふしだらなものに堕としてやろう」
「なんですって……!」
「それこそが、貴様の恥の締めくくり。相容れないはずの敵と仲よく和姦する。正義のヒロインにとって、これ以上の恥はあるか? オレがコレを実現させる」
「いくらなんでも、わたしがそこまで堕ちるなんてありえない!」
「どうかな」
「ぅ……」
 不敵な笑い混じりに返されて口ごもるヒロイン。
 これまで、似たような状況で同じような言葉を突きつけられたあと、自分はどうなった?
「こ、今度は、あ、ありえないわよ……絶対……!」
「強がっても、胸に広がる蕩けるような性感は止まらんぞ。もうココはオレのものだ。そして……ッ」
 ズンッ!
 固まりかけた破瓜の血をかきだしながらカリ首まで抜けていた亀頭が、浅瀬を突く。
「あひぃぃっ!」
「貴様の正義のヒロインマンコもオレのものにし、最後に心をいただこう」
 絶頂させたGスポットを責め立てる。
「いやっ……ま、またそこなの……あッ……ンンッ」
 一度果てさせ、潮噴きまでさせているだけに、悪漢の突き込みは絶妙だった。
 ゆったりしたリズムで腰を振り、痛みにならないギリギリの力加減で亀頭の先で連打。
「ひぁぁっ……あッ……また気持ちよくなってきてる……ダメッ……そんなにしつこくされたら……ンあぁあッ」
 破瓜の痛苦で冷めかけていた女体は、胸以外も再び燃え上がってきた。
 官能の熱は、露出する頬も肌もピンク色に染め、艶やかに汗ばませる。
 当然と言えば当然だが、責められる秘所が最も顕著だった。
 縦線同然のフロントが横にずれた状態で、赤黒く張り詰めた悪漢の亀頭を咥えさせられる乙女の肉唇は、少し前まで処女だったとは思えないほど、淫猥に腫れ上がっている。
 突かれる度に溢れてくる熱の果汁は周囲に飛び散り、甘酸っぱい芳香を撒き散らし、陵辱されているとは思えない感じぶりを際立たせていた。
「ああッ……か、感じちゃう……力が抜ける……意識がぼやけて、身体の主導権を取り戻すどころじゃない……このままオッパイもGスポットも責められたら、また潮噴きしちゃう……皆の前で、クジラみたいになっちゃうゥ」
「安心しろ。潮噴きはなしだ」
「ほ、ほんと……?」
 女冥利の快感のせいとも、恥をかかされる恐怖のせいともつかない涙で瞳を濡らすヒロインが、すがるような声で訊ねる。
「むろんだ。潮噴きなど、いわば貴様のカラダをスケベに堕とす……言い換えれば、開発するためのもの。先ほど宣言した最終目的のための準備にすぎぬからな」
「わ、わたしはあんたなんかの思い通りにはならないわよ……っ」
「その言葉は何度目だ? 言う度に、強さと自信が弱くなった気がするが、記録更新だな」
「う、うるさい……!」
「わかっているのだろう? 心の中では悟っているのだろう? 貴様は利発な女だからな。自分はもう、オレには勝てない。自分のすべてはオレの思うがままなのだと、これまでのことを科学的に踏まえ、本能的に認めているのだ」
「そんなことは……ッ」
「いくら否定しても無駄だ。今、素直に変える……いや、躾けてやる」
 Gスポットを連打していた先端が、別な軌道を描いた。
 途中の膣ヒダを引っ掻いて、硬い肉幹で進行方向に固定しながら、子宮口に突き刺さる。
「おおおおっ……おほぉぉぉおンンンンン!」
 汗で湿って風呂上がりみたいに濡れた金髪を跳ねさせながら、首が丸見えになるほど後頭部が反り返る。
「ハハハ! なんだそのあえぎ声は。正義のヒロインとは思えん。まるで獣の遠吠えだ」
「好きで出したんじゃないわよ! わたしだって、自分がこんな声が出るなんて、知らなかったし、なにより恥ずかしいんだから!」
「今の子宮口への一突きは、今まで味わわせてやった快楽を超えたらしいな。だからこそ、腹の底から鳴いたのだ」
 悪漢は具合を確かめるように、強めに、だが緩やかに奥を突く。
「うぅぅッ……な、なによコレ……Gスポットを押されてるときみたいに、濃厚な快感が奥から来るような……奥まで響くような感じだけど……レベルがぜんぜん違う……ッ」
 焦ったように言うヒロイン。
 追い込んでいる敵は冷静だった。
「最高に気持ちいいのは当然だ。なにせ、子宮の位置が随分と下だ。通常状態でこれではあるまい。今までの快楽で降りてきたのだろう。その証拠に、ククッ、吸い付きがたまらん」
 時々、逞しくて日焼けしている悪の肉体が、下半身をぶるりと震えさせる。
「オレの汚らしいチンポにしゃぶりついて、バキュームフェラしてくれている。ザーメンをせがんでいるとしか思えんぞ」
「ざ、ザーメンですって?」
 ヒロインの顔色が変わる。
「せがんでるわけないでしょ! 誰があんたの精液……いえ、精子なんて……妊娠しちゃうじゃないの……!」
「妊娠はイヤか」
「イヤに決まってるでしょ!」
「その言葉、忘れるな」
 腰振り再開。
 ねちっこく乳房を責め立てながら、膣を追い込む。
「そらそら、こういうのが好きなのだろう?」
 ヒロインが最も感じてしまうリズムと強さで三回か四回Gスポットを押し込んでから、子宮口に密着。
 卵子の待機場所を押し戻すかのように、数秒かけてじわじわ押した後に腰を引き、Gスポットの刺激を再開させる。
そんなピストンを繰り返す。
これに正義のヒロインは。
「ンあああぁぁぁぁ……子宮口を押されてると、甘く息が詰まっちゃう……ああッ……ああああ……またGスポットが突かれてる……ンああッ……ひぁああッ……うあっ、また上ってきてるゥ……膣をゴリゴリ削りながら一番奥に……だ、ダメぇ、また押され始めると、動物みたいな声が……ンおおぉぉぉぉぉ!」
 惑乱。
 肉体の自由を奪われても気丈に反抗していたとは思えないほど、乱れた声で叫ぶ。
 責められる女体は真っ赤に染まっていた。
 刺激されるほど正義の衣装を押し上げ、乳輪と一緒に硬くしこる乳首。
 ドス黒い悪のペニスを美味しそうに頬張り、愛液を涎みたいに垂れ流す牝の肉芯。
 伝った熱汁はガーターベルトストッキングを穿いてるみたいな太ももをべったり濡らし、ヒロインらしいコスチュームを纏う下腿もぐしょぐしょ。
 敵の肉の凶器の根元から雨だれみたいに滴る分は、科学の祭典だった場所のフローリングに大きな水たまりを作り、盛りのついたカップルが燃えたラブホテルの性の匂いを充満させている。
「ひぃぃッ……ひぃぃぃぃ……こんな快楽知らない……バカになっちゃいそう……!」
 抵抗でなく快楽で身をよじり、美しく艶めかしい金髪を振り乱す。
「オレのチンポでイカせて、もっとすごいのを教えてやる」
「も、もっとすごいのですって……!」
「貴様はこれから、子宮口でイクのだ」
「わたし、子宮口でイカされちゃうの? オッパイもGスポットも、それ単体ですごい快楽だったのに……そのふたつの性感をほとんど同時に味わわされながらイカされたら……わたし、どうにかなっちゃうんじゃないの……!?」
「どうなるか確かめさせてやる」
 悪漢の腰つきが変わる。
 子宮口を深々と貫く。
 パンパンに張り詰めた亀頭を密着させた状態で、子宮が戻りそうな位にグイグイ押した。
「ンああッ…………おおっ……おほぉぉおおおおおお!」
 汚らしい牡肉塊で押し上げられるヒロインは、お腹の底から叫んだ。
「子宮口はポルチオ性感帯とも呼ばれる。ここもGスポットと同じほど深く悦べる性感帯だが、普通、開発には時間がかかる。しかし、貴様は素質があったらしい。それほど手間をかけずにこの有り様なのだからな」
 法悦の涙をだくだく流し、口をあの字に開けているヒロインの中心を連打。
 ストロークは小幅に、子宮口だけを狙い撃ちして、ねちっこく突く。
 ズンッ、ズンッ、ズンッ、ズンッ、ズンッ、ズンッ。
 今までのピストンで理解した、大好きな強さとリズムで責め立てる。
「おおおおっ……ほおおおンンンッ……んおおおおオオオッ……ンおおおおンン!」
 正義のヒロインは敵に女の芯を突かれながら、獣の雄叫びじみた嬌声を張り上げる。
「最高に気持ちよさそうだな」
 シルクの手触りのコスチュームをパツンパツンにしている美巨乳を捏ね回しながら、容赦なく腰を振る。
「オッパイも乳輪も乳首も、今にも破裂しそうな位に腫れ上がってるが、やはり、マンコの具合だ」
 悪のドス黒いペニスで突いては腰を引く度、卑猥に肥厚する肉唇の噛みつきぶりが増すのを感じながら告げる。
「入り口も、中の肉も、子宮口も、総掛かりで敵のチンポに食らいつく。たっぷり濡れてグチョグチョな上に、熱い位に火照っているから、至極具合がいい。貴様のカラダを堕とした実感を、この上なく感じるぞ」
 トロンとしながら快楽の涙を流すヒロインの耳元に口を寄せる。
 他の者にも聞こえる大きめの声量で、明言。
「このまま中で出してやる」
「だ、出すって……まさか……」
 掠れた声でヒロイン。
 無理矢理与えられる悦楽で全身をわななかせていながらも、怯えの気配を滲ませた。
「もちろん、ザーメンだ。オレの精子を貴様の子宮に送り込み、待機してるであろう卵子を犯させる!」
「い、いやぁ!」
 首を振って髪を振り乱す。
 悪漢は腰の動きを緩め、反抗の意志を示しやすくする。
「赤ちゃんができるかも知れないじゃないの! そんなのはイヤって、さっきも言ったでしょ! いくらなんでもひどすぎるわ!」
 子宮口責めが弱まって、多少呂律が怪しいものの、言い放つヒロイン。
「ザーメンを中出しされてイク感覚を教えるのも、貴様にかかせる大恥のひとつ。やめるわけがなかろう」
 腰振り再開。
「ダメよ、おほぉおおッ、絶対に許さないんだからっ、ンおおぉおンンッ」
 すっかり性感に順応し、なすすべのないヒロインを、絶頂に追い立てる。
「いやなのにッ、ダメなのにっ、わたしの膣も子宮も気持ちよくなっちゃう……!」
 切羽詰まっていながらも、官能的に裏返った声で叫ぶ。
「子宮口が開いてきた。オレのチンポをさらに飲み込み、ザーメンをせがんでいるぞ」
 本当に口でしゃぶられているかのような、途方もない密着バキューム快楽が、悪の男子校生のペニスの性感を急速に上げていく。
「そろそろ貴様もイキそうだな。オレも一緒にイってやる。敵のザーメンを注がれながら、意識を飛ばしてしまえ」
 亀頭どころかペニス全体に熱く蕩ける悦楽が広がって、下半身が甘美に痺れる中、彼が念じる。
(【機紅戦姫ソニア】に中出し! 皆の憧れのソフィアちゃんのオマンコに、一番乗り中出し! チンポの味と膣内射精される気持ちよさを刻まれて、オレから離れられなくなれ!)
 性欲旺盛な男子校生の執着と情念をたっぷり籠め、嫌がる彼女に思い切り射精。
 ビュルルルル! ドビュルルルルルルルル! ドッビュルルゥゥゥゥゥゥゥゥ!
「ンのおぉぉぉおおおぉおおおお~~~~~~~~!」
 所有権を主張するかのように美巨乳を思い切り鷲づかみされ――。
 おぞましい肉棒を奥までずっぷりハメられて――。
 愛する男のものしか受け入れてはならないはずの子宮へと、敵の牡エキスを勢いよく中出しされたヒロインは、下品で野太い声で絶叫。
(一番奥で出されてる! 熱くてネバネバのザーメンで満たされるゥ!)
 生まれて初めての体内射精を受けたヒロインは、全身を痙攣させた。
「おおッ! マンコが締まるっ、子宮がチンポ吸い上げるッ、ザーメンが搾られる!」
 熱く蕩けてぬかるみじみている乙女の肉壺は、今まで以上に肉棒に食らいつく。
 絡みついて、締めつけて、揺すぶって、むしゃぶりついて、おまけにバキューム。
 性感の固まりになっていた肉棒は、種類の異なる快感を同時に受けて、さらに射精。
「おほおおぉぉぉぉぉ!」
 子宮が生臭い精液に満たされる。
 逃げ場のない卵子に向かって何億もの敵の精子が突撃する間、溢れた分は逆流。カリ首に抉り抜かれた膣の隅々に染みこみ、汚らしい肉竿を咥える肉唇からポタポタ垂れた。
「すげぇ! ソニアちゃんがマジでイってるぞ!」
「溢れるほど敵に中出しされてる!」
「可愛い外見からは想像できないケダモノ声であえぎながらイクなんて、エロすぎだ!」
 観衆がわっと叫ぶ。
 ライブ中継しているサイトでは、欲望に満ちたコメントが画面を埋め尽くしていた。
(なによコレぇ)
 ナマで、あるいはモニター越しに全国の男達が見ている前で、だらしなく舌を突き出したイキ顔をさらしているヒロインンは、心の中で戸惑う。
(犯されてるのに……なんて気持ちいいの?)
 心が激しく揺れる。


◆ここから、2017年3月13日追加分◆


(無理矢理気持ちよくさせられたのに……しかも、中で精液を出されて、妊娠するかも知れないのに……すごく甘美)
 全身に満ちるオーガズムの悦楽は、胸やGスポットで果てさせられたときよりも濃密だった。
 もしも恋人ができて、その彼に与えてもらえるとしたら、何度でも欲しいと思える位の魅力をもっている。
 自分を絶頂させた男の体液で奥まで満たされる、この甘く妖しい充実感はどうだろう。
 分身をビクンビクンと逞しく脈動させ、膣も子宮も細胞のひとつひとつを余さず揺すぶりながら、誰のモノかを刻み込む風に熱い精液を注がれる多幸感は、今まで感じたどの快感よりも魅惑的ではないか。
(感じ方が変化してる……)
 自分を最低な形で辱める敵を憎からず思うだなんて。
 悪漢に犯されるのに、悦びを覚えてしまうだなんて。
(そんなの変態だわ……でも……)
 なぜだか本気で否定できない。
 これも、感じ方が変化している証なのだろう。
(わたし、こいつのモノになっちゃったの?)
 意識すると、妙に心が軽くなった。
 あんなに燃やした敵意が、甘酸っぱい感情に変わっていく。
「オレの正義の行為を散々邪魔した【機紅戦姫ソニア】に中出しをキメてやったぞ。同時にアクメもキメさせてやった」
 悪漢は亀頭を子宮にめり込ませたまま、乳房を握る手を緩める。
「準備はおしまいだ。終わりを始める」
 ほとんど力を込めない手のひらを下乳に這わせた。
「んっ」
 ゆっくり限界まで持ち上げては離すのを繰り返す。
「あふぅぅぅ……」
 小さくあえぐヒロイン。
 上げられるときはバストの柔肉が限界まで引っ張られる。
 顎のところまで持ち上げられた瞬間にパッと手が離れ、乳房は重力に引かれて落下。元の位置で落ち着くまでに、流動感と重量感たっぷりに豊胸は弾む。
 そうして、肉が伸縮する快感と、豊胸の芯まで震幅する快感をほとんど同時に味わわされる。伸縮感も震幅感も、敏感すぎる乳輪と乳首も甘美に刺激していた。
「ンンッ……あああぁぁ……」
 持ち上げられては落とされる度に、熱い吐息が漏れてしまう。
「これまでの快感責めで、いやらしい声を隠す気持ちも失せたようだな」
「……言わないでよ」
 先ほどまでなら怒りを湧かせる言葉も、気にならなかった。
 そんなことよりも気になるのは。
(わたし、意地悪されてる)
 悪漢の乳責めは穏やか。普通ならばくすぐったい程度のものなのだが、牝として促成栽培された淫美乳には効果的だった。
 痺れるような快感が全体に広がっている。
 ペニスを突っ込まれ、その形に広げられている。ただそれだけでも、快感が湧いている女芯の性感が増し、再びうねりだしていた。
(胸もアソコも切ないわ……気持ちいいけど疼いちゃってる……そんなこと、憎らしいほどセックスの上手いコイツにはわかってるはずなのに、激しく責めてくれない)
 悩ましげに眉根が寄る。
 絶頂の余韻がまだ残る気の強そうな、けれど反抗の牙が抜けた風な美貌には、細かい汗の粒が浮く。
(わたしがおねだりするのを待っているのよ)
 彼が言って自分が否定した、最終目的。
 その内容が脳裏に浮かぶ。
(散々恥をかかされて、子作りするみたいに膣内射精もされちゃってるけど、自分からおねだりしたら、本当に負けよ。【機紅戦姫】ソニアの完全敗北だわ)
 実現したときの意味を噛みしめる。
(もう二度と、正義の活動なんてできるものですか。人前に出たら、あいつは完全敗北したヒロインだって、皆に笑われるに決まってる! 恥さらしもいいところ!)
 理解している。
(でも……)
 ゴクリと生唾を飲んでしまう。
(おねだりしたら、コイツはまたシてくれるのよね……)
 ドス黒い堕落の心が常識を覆い尽くしていく。
(負けを認めてカラダを委ねたら、もっと気持ちよくしてくれるはずよ……)
 正義のヒロインとしての過去も矜持も売り渡し、許されない快楽を貪りたいという衝動に駆られる。
「言いたいことがあるのなら、言ってみろ」
 心境の変化を見透かしたかのようなタイミングで、敵が傲然と促す。
「まるで、愛の告白をする乙女のような顔だ」
 ある意味では当たっていた。
 しかし、堕落してしまった正義のヒロインは、そんなロマンチックなものではなく、欲望塗れのおねだりをする。
「じ、焦らさないでよ……」
「ほぅ」
「お、おお……思い切り……し、シてちょうだい……」
 残っていた良心が声を異常に上ずらせる。
 だが、既に考えは決まっているのだ。
 カラダも心も、そこまで堕とされている。
 もう、後戻りできやしない。
 だからこそ、二言三言口走っていると、だんだんと流暢になっていく。
「わ、わたしを犯して、またイカせてよね」
「ククク」
 悪漢はゆっくり腰を引いた。
 絡みつく蜜ヒダを引きずって、熱い果汁を掻き出しながら、亀頭ひとつ分だけ抜く。
「あぁ」
 そこで止まった彼――今や肉欲を満たしてくれるかけがえのない存在に変わった悪の男に向かって哀願の流し目を送り、焦れったそうに息を吐くヒロイン。
「お願いよぉ」
 色っぽく上気した顔にもどかしげな気配を満たした彼女に向かって、
「いいだろう」
 度重なる快楽責めでそこまで追い込んだ敵の男が、思い切り肉棒を突き刺す。
ズゥンッ!
「んほおぉぉぉンンンン!」
 堕落を受け入れた後の最初の一撃は、子宮をまともに押し上げた。
 気絶しそうな位の悦楽が迸り、正義のヒロインは愛液でグチョ濡れの膝を笑わせる。
「ふんっ、ふんっ」
 悪漢は下半身のバネを駆使して勢いよく腰を振る。
(やったぜ!)
 表面上はふてぶてしい顔をしつつ、心の中でガッツポーズをとっていた。
(【機紅戦姫ソニア】……憧れのソフィアちゃんに、おねだりさせたぞ!)
 天にも昇る気持ちで、一心不乱にピストン。
 心も身体も歓喜で満ちていて、途方もない昂揚感で流されそうではあったが、責めが雑になったせいで彼女が正気を取り戻し、自分を成敗しようとしてきたら意味はない。
 なんとか意識を集中させて、遂に堕とした正義の女子の中心を、彼女が大好きな強さとリズムで突き回す。
(きっとこの子は、オレとのセックスを一生忘れない。たとえこれから恋人ができて、セックスをしたとしても、絶対に今日のことを思い出して、比べる。処女を奪った相手で、おねだりを我慢できなくなるほど夢中にさせた男が、後から抱いたヤツに負けるわけがない。つまりオレは、ソフィアちゃんが生涯忘れられない男になったんだ!)
 牡としての優越感で、さらに肉棒が硬くなる。
「ああ、いいっ、ンンッ……おほぉン」
 一方、悪とのセックスに魅了された正義のヒロインも、一目でわかるほど悦んでいた。
 我慢しようとしていた恥声を隠しもせず、交尾中の獣のように気持ちよさそうに鼻を鳴らす。
 気の強そうな美貌からは、戦うヒロインの凜々しさがすっかり剥がれていた。
 明るい金色で柳の枝のような眉も、勝ち気な目尻もだらしなく垂れ下がっている。快活で知的な容姿からは想像できない野太い嬌声を漏らす口は大きく開き、犬みたいに舌がはみ出ている。
 骨抜きにされた牝という言葉がしっくりくる、感じまくりの顔である。
 だが、なによりも堕落を感じさせるのは、
「膣も子宮も気持ちいいぃ、はあ、はあ、あなたに突かれるの最高ぉ」
 女の証だった。
 テクニシャンのペニスにすっかり酔いしれ、もう離さないと言わんばかりに、堕ちた反応を示している。
 学生の身で変身ヒロインなどをこなしている、若く活動的な女子らしくキツキツの乙女膣は、大喜びで敵のドス黒い剛棒を締め付けている。これまでのピストンで女らしく柔らかくなった膣ヒダは、熱の果汁をたっぷり纏いながら、雄々しく脈動する悪の分身に吸い付いて、奥へ奥へと淫猥に扱く。
 牝をこの上なく悦ばせる牡の子供を妊娠したいと言わんばかりに奉仕するのは、子宮も同じだった。亀頭の半ばまでくらいつく入り口は、肉棒のすべてを吸い尽くそうとするかのような勢いでバキューム。陰嚢で噴出準備に入っている新しい精子まで引きずりだされそうなほど、欲望と情熱に満ちた吸引だった。
「膣も子宮もだと? 貴様は公衆の面前で敵とセックスして悦ぶ変態なのだ。そんなお上品な言い方をするな。オマンコと言え。でないと、もう犯してやらんぞ」
 高嶺の花を自分の女にした幸せをもっと噛みしめると同時に、普段の様子からは想像できない彼女の下品な痴態をさらに引き出したくて、傲然と命令。
「ご、ごめんなさい」
 あえぐのに忙しいだろうに、慌てた様子でそう言って、
「お、おお、オマンコっ、オマンコ気持ちいい、あなたにオマンコ突かれるの最高ぉ」
 動物みたいにあえいでも美しさが残る凛とした声で、卑語連呼。
(うわああああああ! ソニアが……ソフィアちゃんが、こんないやらしいことを言ってくれた! セックスを……チンポでマンコ突かれるのをやめて欲しくないなんて、最高に下品な理由で卑猥なセリフを口走ってる!)
 彼女をモノにした実感がさらに高まった。
 ペニスが一回り肥大して、鋼のように硬くなる。
 感度は一段と上昇した。一突き毎に絶頂しそうな性感に包まれる。
「貴様はオレを、散々変態呼ばわりしてくれたよなァ」
 あまりに従順でエロティックな態度に、嗜虐心が燃え上がり、追撃。
「絶対に許さないとか言った敵とヤッてるんだぞ? しかも、衆人環視。ネットを通して、全国に配信されている。そんな異常すぎる公開処刑セックスをやめたくなくて、悪者のいいなりになるなど、貴様の方こそ変態ではないか」
 正義のヒロインの敗北を印象づけるガニ股開脚ポーズの彼女のカラダが、燃え上がったように熱くなる。
「ご、ごめんなさいっ」
「ほう。なにがごめんなのだ?」
「わ、わたしの方が変態よ……皆に見られていても……記録に残っても構わないから、正義の変態ヒロインの淫乱オマンコを、もっとイカせて……ッ」
 限界まで首を巡らせ、敵と見つめ合いながら、まるで乙女が愛の告白をするかのように、しおらしくカミングアウト。
(おおおおおおおおおおおおおおおおお!)
 心の中で転げ回る悪の男子校生。
(そこまで言ってくれるのかよソフィアちゃん! オレとのセックス……いや、オレの汚いチンポでパコられるのを、そんなに気に入ってくれたんだね!)
 今にも爆発しそうな亀頭の先から、白っぽい先走り汁を断続的に溢れさせ、先ほど出した精液がだいぶ掻き出された子宮に流し込みながら、さらに彼女の愛欲確認。
「ならば、オレのザーメンを注がれながらイケ。子宮に直接流し込むのだ。しかも今度の射精は、先ほどよりもたっぷりになるだろう。卵子は敵の精液の海に沈み、何億という悪の精子の突撃を受ける。ご懐妊確実。貴様はその若さで、正邪の子供のママになるわけだ」
「はあ、はあ、わたしのお腹に、正義と悪の血を引く子供ができる……」
「常識からすれば、それは最低最悪。【機紅戦姫】ソニアは、旦那様はテロリストの、正義の変態若妻ヒロインとなるわけだ」
「最低最悪……【機紅戦姫】ソニアは、旦那様はテロリストの、正義の変態若妻ヒロイン……ハア、ハア」
 彼女はうっとりした目をして、熱っぽい声で繰り返す。
「それでもいいのか?」
「か、構わないわ」
 彼女の両手が動いた。
 その脳を掌握している悪のナノマシンが敵意のない所作と看破したからこその、意志に基づいた行動は、返事のダメ押しだった。
 ピッチリしたロンググローブをつけているような紅の細腕は、乳房を揉んだり捏ねたりしている黒くて丸太みたいに逞しい悪漢の腕を掴む。
 振り払おうというような、反発の気配は微塵もない。
 愛しい異性への愛情表現も兼ねた、すがりつく仕草だった。
「あなたとの赤ちゃんなら、いい……わたしのカラダがそれを望んでるんだものっ」
 たっぷり濡れて蕩けた女壺が、依存心たっぷりに肉棒を絞る。
「わたしを孕ませてッ」
 敵に合わせて腰を振り始める。
 害意のない行動を、ナノマシンは制限しない。
 だからこそ、正義のヒロインの腰つきは欲望に満ちている。
「あン、熱くて濃いザーメン頂戴、んおぉっ、淫乱オマンコにいっぱい注ぎ込んで、んほおン、正義の変態ヒロインを悪の精子でママにしてェ」
 これまで見せた敵愾心など嘘のように――まるでセックスの味を占めた若い女が愛しい恋人との情事に溺れるように――ガニ股開脚のままで腰振り。
 敵のピストンにタイミングを合わせながら、意識して膣を締める。
 縦線同然の前布が横にずれているせいで、肉唇はすっかり露出しているままだった。
 ぽってりと卑猥に肥厚してはいるが、乙女の生白さを保った牝の花弁は、血管をドクドク脈動させる悪のドス黒い剛棒に絡みついている。小刻みに抜き差しされる度にめくれては、生臭い男と女の性の体液を周囲に撒き散らす。
(たまんねぇ!)
 悪の男子校生が胸中で絶叫。
(どう見ても、これはラブラブ子作りセックス……いや、交尾! 敵と味方の垣根をチンポでぶっ壊して、最高の女子のソフィアちゃんを……【機紅戦姫】ソニアをひとりの女……牝に堕とした戦果! この子は絶対確実に、オレとの初体験を一生忘れない! 身も心も完全にオレの女になったんだ!)
 悦びに打ち震えながら、ひたすらピストン。
(ここまで来たら、本当に孕め! 子宮もオレのモノになれ!)
 必ず妊娠させるんだと強く念じながら歯を食いしばり、射精したくても我慢して、吐き出す汁の量と濃度を限界まで高めた末に、射精。
「望み通り敵の精子で孕め【機紅戦姫ソニア】! 妊娠しながらエロく無様にイケ!」
 奥の奥までペニスをねじ込み、子宮の入り口に亀頭を差し込んだ状態で、欲望と執念で煮えたぎる征服の種汁を注ぎ込む。
 ドグゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! ドビュルルルルルル! ドビュルゥゥゥゥゥウウゥ!
 熱くてグチョ濡れの膣と子宮に愛欲たっぷりに抱きしめられながら、ペニス全体を震えさせ、裏筋をドクンドクン言わせつつ、新鮮な子種汁を次々送り出す。
「ンホォォオオオオオォオオ~~~~~~~~~!」
 戦っていた敵同士。
 何度となく悪だ変態だと罵倒して、絶対に許さないと言った相手。
 実はそれなりに交流のあるクラスメイト。
 そんな男子校生に妊娠をおねだりするほど性欲の虜に堕とされたヒロインは、全身をブルブル震えさせて絶頂。
「オマンコ妊娠するゥ!」
 嫌悪感など一欠片もない、愛欲に溺れきった淫乱な声音で絶叫。
 一度は、赤ちゃんができるから膣内射精するなと言った口が、敵に懐妊させられるのを大喜びで全面肯定。
「孕め! 孕め! 【機紅戦姫ソニア】よ、敵のチンポ汁で妊娠しろ! 悪の子供のママになれ! ムチュゥゥゥ!」
 情愛混じりの執着心の赴くままに、正義のヒロインの唇を奪う。
 口元を少し傾け、甘く柔らかい唇と密着させ、即座に舌を潜り込ませる。
 彼女の可憐で初々しい舌の隅々を舐め、ピンク色の歯茎も、芸能人のように白い歯も舐め回す。
「ンムゥゥゥ! ンンッ、はむ、ぺろっ……べろッ……」
 子供を儲けてもよいと思える牡の性愛行動を拒む理由などない。
 初めこそ、絶頂の快楽の影響で鈍い反応だったが。
「ムフンっ……れろっ、れろっ……レロレロレロ……あぁン、いい……」
 うっとりと睫毛を下ろし、蕩けきった呼気と声をこぼしながら、同調。
 普通の女性ならば早急過ぎて気味悪がるはずの強引なディープキスに、勝るとも劣らないベロチューで応え、本当の恋人のように舌を絡め、熱と唾液の感触を伝えあい、熱い吐息を嚥下しあう。
「子作りしながらあなたとエッチすぎるキスをするのって、素敵よ……わたし大好き」
 ピンク色の声音でそう言う彼女。
 膣内で硬く太いペニスが脈打って、次々と新鮮な種汁を送り出すのを受け止めながら、ふしだらなキスにふける。
 ほどなく、その全身から力が抜けた。
「やってやった。宣言通り、最高で最低の大恥をかかせたぞ。これでもう、コイツはオレに刃向かえまい……ククク」
 正義のヒロインにして憧れのクラスメイトを公衆の面前で堕とした彼は、満足していた。
 と。
「そこまでだ、この犯罪者!」
「神妙にお縄を頂戴しろ!」
 怒号と共に、何人もの武装した警官がなだれ込んできた。
 公開処刑を始めてから、それなりの時間が経過している。ネット上でライブ中継をするなど、秘密にするどころか大々的に喧伝しているのだから、踏み込まれても不思議はない。
「ちっ」
 舌打ちする悪の男子校生。
 超人的な力をもつ自分を公権力がどうこうできるとは思わないが、邪魔者だが憧れの存在でもあるクラスメイトを堕とした余韻が台なしなのは、気にくわなかった。
「あんな連中ものの数ではないが、相手をするのは面倒だ。目的は果たした。撤収しよう」
 大量に注ぎ過ぎて逆流し、精液が床にポタポタ落ちている中、腰を引く。
 しつこく絡みついてくる膣ヒダの感触になんとも言えない名残惜しさを感じつつ、正義のヒロインや会場の機器に取り付かせていたナノマシンに帰還の脳波を飛ばす。
 ナノマシンが肉体の定位置に付着して、古代の呪術師スタイルに戻りながら、満足のいくオーガズムで放心しているヒロインの身体を人形扱い。壊れ物を扱う手つきで寝かせると、ガニ股開脚ポーズを取らせる。
 短くない時間、かなりの巨根をくわえ込んでいた肉唇は、奥の方まで見えるほど開ききっていた。紐同然のまま復旧されなかった股間のコスチュームは、横にずれたままなので、敵と和姦交尾した証である、湯気が見えるほど熱い精液と愛液は溢れ放題。会陰に向かって垂れ、床がドロドロになっていく。
「あはぁ…………んん……」
 戦いでもセックスでも負けた。
 完全敗北を印象づける恥辱の体勢を取らされているにもかかわらず、正義のヒロインは満足そうにのびている。
「さらばだ」
 声にも背中にも未練がましさを滲ませて撤収する悪漢。
 本当は、お持ち帰りしたかった。
 彼女のカラダは素晴らし過ぎて、童貞を捨てられたのが誇らしい位。
 拉致監禁して、爛れた毎日を過ごしたくて仕方がない。
 けれど自分には、叶える力はない。
 こんな破壊活動をしていても、財力も権力もない平凡な男子校生なのだ。
 卑猥なポーズで放置するのは、敵としての意識がさせたものでもあるが、彼女を骨抜きにした男ならではの優越感も理由だった。
 お前らは触れることができない憧れのヒロインを、オレは徹底的に堕としてやったぜ。
 そんな下品なアピールだ。
 居合わせたクラスの男子も、他の一般人も、正義のヒロインの痴態に魅了されるのに忙しくて、固唾を呑んで見守っていたが、自分がいなくなったことで、無防備な彼女に襲いかかるかも知れない。警察がそれを見逃すわけはないだろうが、暴徒と化せば鎮圧は骨が折れるだろう。
「ソニア……ソフィアちゃんを犯すことができたヤツがいたとしても、馬鹿めとしか言いようがないけどな。だって、彼女のカラダも心も、オレのモノなんだから」
 他の男が触れても、彼女が感じるわけがない。
 自分との濃厚セックスを思い出して、切なくなるのがオチ。
 つまり、抱こうとした男が惨めになるだけなのだ。
 信じられない偶然から憧れのクラスメイトを堕とした男子は、彼女を自分のモノにした確信に酔いながら、安全なところを目指す。その後は、何食わぬ顔でクラスメイトと合流するつもりだった。

 そして後日。
「待ちなさい!」
「フン、まさかまた邪魔しに来るとはな、【機紅戦姫ソニア】!」
 地球戦士アーサーに変身した水星大地が、科学の祭典で破壊活動に勤しんでいると、変身ヒロインが現れた。
 裸にスタイリッシュなパツパツスーツ。その上に、凜々しいアーマーを身につけ、全身から正義の戦意を漲らせている彼女は、避難が終わって誰もいなくなった会場で、力強く指差し。
「この間は、よくもやってくれたわね! 映像が海外にまで出回って、大変なんだから!」
「負けた貴様が悪いのだ。言っておくが、地球の化身であるオレは正義。故に、恥ずかしすぎる映像が海底ケーブルを伝って向こうの人間の目に触れようが、拡散につぐ拡散で半永久的にネットの世界に存在しようが、正義を執行した結果。非難する方が悪なのだ」
「あなたみたいな悪党見たことない! この、女の敵!」
 正義のヒロインが構える。
 戦士の出で立ちからは、高い士気がオーラとなって立ち上っているよう。
「止めるというのなら、また叩きつぶすのみ」
 悪漢は仁王立ちする。
「ちょちょ、ちょっとあんた!」
 上ずった声で叫ぶ彼女。
「その腰巻きのありさまはなんなのよ!」
 彼の股間はほぼ垂直に勃起していた。
 今にもめくれそうな位に腰巻きのフロントを持ち上げて、隆々とそそり立っている。
「貴様をねじ伏せ、また大恥をかかせる。そう考えていると、自然に準備が整っただけのこと」
「わ、わたしをまた犯す気なの!」
「第二弾として配信し、オレの力を宣伝してやる」
「……ゴク…………」
 緊張した面持ちで喉を鳴らすヒロイン。
「こここ、こ、今度は負けないんだから……」
 尻切れトンボで言い切る。
「ん?」
 気付く彼。
「貴様、どうして太ももをモジモジさせている。まるで、マンコを刺激してるようではないか」
「な、なな、なんでもないわよッ」
「ふぅむ。なにやら太ももから甘酸っぱい匂いが漂ってくるぞ」
「ッ!」
「よく見れば、胸元が少し突出しているな……まるでその下の、変身ヒロインのパツパツコスチュームに包まれる乳首が硬く腫れ上がって、アーマーを持ち上げているみたいだ」
「へへ、変なことい、言わない……言わないでよッ!」
 妙に落ち着きのない口調で怒鳴ってくる。
「べべ、別にカラダは疼いていないわ! あんたとのセックスが忘れられなくて、性欲をもてあましていたわけでもないんだからッ! 久しぶりに会って声を聞けたことでカラダが悦んで、エッチのスイッチが入っちゃってるわけじゃ、ぜんぜんないんだからね!」
 素直な性格が悪い方に出ていた。
 聞いた悪の男子校生が歓喜する。
(まじかよソニア……いや、ソフィアちゃん。ほんとにそこまでオレのことを!)
 学園では後ろ姿を見るだけで。
 いや。
 教室という同じ空間にいるだけで。
 いや。
 彼女も同じ校舎に通っているのだと意識するだけで、ペニスが瞬時にフル勃起。
 ヌかずにはいられなくなり、日常生活に支障が出るほど困ったことになっている。
 そんな理由から、学園では顔を見ないどころか意識するのも避けていたせいで、過日の後の行状はわからなかったのだが、まさか同じように意識してくれていただなんて。
(激マジで、オレの女になってるって感じだぞ!)
 嬉しくて、性欲が滾って、どうしようもなく肉棒が疼く。
「ならば思い出させてやる」
 悪漢らしく傲然と告げる。
「前回以上の大恥をかかせながらな」
「前回以上ですって……」
 彼女は露骨に鼻の下を伸ばした。
「もしも負けてしまったら、アレよりもすごいことをされちゃうの……?」
 先ほどまでの戦意が、みるみるピンク色の気配に変わっていく。
 この雰囲気には覚えがあると、彼は思った。
 陵辱の終盤。
 完全敗北とも完全降伏とも言える、欲望に満ちたおねだりをしていたときだ。
(これじゃ、勝敗は明らかだな)
 けれど、油断はしない。
 目の前の可愛らしい餌を食い散らかせなかったとしたら、悔やんでも悔やみきれない。
 だから、どう猛な気配をこれまで以上に強めて、気合いを入れる。
(上手く倒して抱けたときは、妊娠したかどうかをカミングアウトさせながらネチネチ楽しんでやる。そうやって、自分の心とカラダが誰のものなのか、改めて教えてやるぞ)
 分身を今までよりも猛らせながら、戦闘を始めるのであった。




本作はこれで完結です。
読んで下さりありがとうございました。
更新が遅くて面目ありません。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: タイトルなし

>ネトラレスキー 様

いつもありがとうございます。
今までは色々と都合がつきませんでしたが、
今回は過去に教えていただいたご意見のいくつかを盛り込むつもりです。
コレジャナイになったときは、大目に見てもらえるとありがたいです。
完成&公開まであと一週間位お待ちください。

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)